日本が危機。認知症患者と家族を支えるには何をすれば良いか?

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先日掲載の記事「認知症のお年寄りが「安心して徘徊できる」街は作れるのか?」で、「高齢者の方への声かけを地域で積極的に」との呼びかけを発信した、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さん。今回はさらに一歩踏み込み、「地域で認知症の方を支える方法」について、地域包括支援センターの方から伺ったという話を紹介しています。

地域で認知症を支えるってどうすればいいの?

こんにちは! 廣田信子です。

地域で認知症の方を支えると言っても、自分に何ができるんだろう…、そう思う方は多いと思います。でも、それは自分で考えなくてもいいんです。専門機関につないで、できるだけ早く専門家の支援や介護を受けられるようにしてあげることが大事なのです。どうも様子がおかしくて認知症じゃないかと思ったら、そんなことを言っては失礼かな…、間違っていたら悪い…、なんて思って躊躇しがちですが、そんな必要はないのです。

以前は、住民が地域包括支援センターに言っても取り合ってくれなかった…、なんていう話を聞きましたが、今はそんなことはありません。地域包括支援センターはできるだけ早く支援が必要な人をキャッチして対応したいのです。そのために住民の方の情報はありがたいのです。誰からの情報なんて言わずに、上手に対応してくれます。でも、その後、自宅での生活を支えるには近隣の方の協力はありがたいのです。

ある認知症が疑われる一人暮らしの女性のお話です。自治会の行事の日が覚えられなくて、何度も確認の電話が入り、同じ質問をします。心配した近隣の方から地域包括支援センターに連絡があり対応したところ、初期の認知症と分かり、介護認定がされましたが、近隣の方から、自分たちに何かできることがありますか…、というお話がありました。

できるだけ自宅で生活しいろいろな行事にも参加したいとその方が思っているので、その申し出はとてもありがたくて、重要なところは専門家が介護しますが、日常、毎日確認の電話が入っても、「また~」「昨日も言ったでしょう~」なんて言わずに、その度丁寧に対応してあげることを近隣の方がやってくれました。そして、行事には声を掛けて自然に付き添ってあげる…。そういうサポートがあることで、その方は、進行を遅らせることもでき、ぎりぎりの状況まで、それまでと同じ環境で暮らすことができたと言います。

支え合うって難しいことではなく、困ったら電話をできるご近所さんがいる、このごろちょっと様子がおかしいと気に掛けてくれる人がいる、ちょっとしたサポートをいとわない付き合いがある、そういう関係をつくっていこうということなのだと思います。この話は、7月26日のマンションコミュニティ研究会で、地域包括支援センターの方がシェアしてくださったお話です。

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