また、地域に密着することで得られる効果として考えられるのが、差別化です。「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」の場合、世界トップクラスのスキルを持つシェフがいることが、自他ともに認める美味しいピザを提供することを可能にしています。
しかし、実は都心には美味しいピザ屋さんはたくさんあるようで、世界大会で優勝や入賞経験のある職人を抱えているお店もあります。つまり、都内でトップクラスのスキルを持った職人がつくる美味しいピザを食べたい場合、選択肢は意外と多いですし、顧客からみても、単純に実績やスキルだけでは、比較が難しいと思います。
このようにスキルで大きな差がつかない場合、スキルではない部分で違いを出すことが必要になってきます。「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」では、パティシエやバリスタなどの専門性が高いスタッフが、ピッツァ以外のメニューも充実させており、これが他店との違いとなっていますね。
そして、もうひとつ、違いとしてあげられるのが「地域密着」です。同じ本格派ピッツァでも、「地元」の食材にこだわった本格派ピッツァを提供することは都心の店舗には容易ではないわけですから、大きな違いになります。
ですが、ただ違いがあればいいのかというとそういうわけではなく、あくまでも顧客にとって意味のあるものでなければなりません。
地域の食材を使うということは、地域の方からすると、作っている方の顔が見えるわけですから安心感につながりますし、地元を大切にしているという姿勢が応援したいという気持ちにもつながると思います。
農家の方からみても世界一のスキルを持ち、食材にもこだわるシェフが、生産者の背景や想いをのせて、料理を提供してくれるというのは、うれしいことだと思いますし、応援したいと思うのではないでしょうか。
地元の商店街の方も、食材を購入してくれる「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」のようなお店を応援してくれるでしょう。
上記のように、地元を大切にする姿勢が、地域の顧客との信頼関係につながり、地域の顧客にとって、替えの利かない存在になっていくのです。
「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」はあくまでも、生産者の背景や想いをのせたピッツェリアを目指しているわけで、差別化を狙っていたわけではないかもしれませんが、戦略的にみてみると、実際に、地域に密着した結果として地元のファンが多く、常に店は賑わっているようです。
今後、「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」は地域に愛されるお店として、どのようなピッツェリアになっていくのか注目していきたいです。