こうした体操を見ていると、基本的に右だけ、左だけというのはなく、全身、全体を動かすようにできていますね。右から始めても、必ず左側も動かすようになっています。
こういう体操類では右利き、左利きの区別なく、全身をバランスよく動かすようになっています。しかし実際に何かしらのスポーツ、競技をしはじめたらどうでしょうか? 道具を使うものはてきめんです。右利きか左利きかで動きが全く違いますね。逆のスタイルはかなり難しいし、ほとんどの人ができないと言ってもいいでしょう。野球で右打ちも左打ちもできる人は「スイッチヒッター」と言われますが、プロでスイッチヒッターというのは本当に稀です。
実際に道具を使う競技で「反対側も鍛えよう」というのはあまり意味のないことかもしれませんが、日常生活の場合は利き手とは逆の方も鍛えてみるのもいいものです。
人間の脳は右脳、左脳と分かれていて、それぞれに機能が違うと考えられています(脳機能局在論)。それと利き手の関係は実際に完全には解明されていませんが、手と脳は密接なつながりはありますし、普段あまり使わない、サブ的にしか使わない方(利き手でない方)を使うことがそれなりに脳に刺激を与えるだろうということは期待できます。
個人的には「右脳派・左脳派」と分けることには意味があまりないと考えています。右脳、左脳は脳梁と呼ばれるもので結ばれていて、両方がしっかり連携していて働いていることはわかっているからです。どちらかだけが働いているわけではありません。ですから、その「連携を強める」ようなトレーニングは効果があるのではと考えています。
普段は利き手がメインです。それはごく自然な動きです。でも、全身運動をする時には少しだけでもいいので、利き手じゃない方に意識をもっていってみてはいかがでしょう。
長く続けているうちに少しずつ動きが変わってくるはずです。
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