「仮想通貨は危険だ」というなら、紙幣が安全な根拠はどこにある?

 

人権改善に一役買うデジタルコイン

お金は人々に自由を与え人生のセキュリティを提供してくれる。それは世界中、どこの人々にとっても同じことだ。

いわゆる99%の人々が、お金に関心を持つのはこうした部分であって、決して皆が贅沢な無駄遣い、環境破壊な大量消費にお金を欲しがっているわけではない。それは各国有権者の共通した価値観でありながら、民主政治に反映されない不思議」が世界で蔓延している。

政府要職に就く者、とりわけG7要人の多くは、個人への規制を残したまま、大企業の自由を擁立するタイプのグローバル化を信望している。個人の権利が十分に尊重されない就労環境の整備を目指し、GDP成長とインフレ経済を絶対視する政策を市民に押し付けている。

そのインフレ経済を最も必要としているのが、英語で言うフィアットマネー、すなわち恣意の通貨(紙幣)である。中央組織が発行する紙幣の利用に利子を課し、それはまさにカネがカネを生む制度社会の大もとであり、その維持にはインフレ経済が欠かせない。

これに対し、デジタルコインの多くは、ディ・セントラライズド・カーレンシーと定義され、中央集権な権威組織を持たない。つまり、わずか数名による非公開の会合で、一通貨辺りの価値(発行量)が変更されることもなければ、誰かが使用料(利子)を徴収することもない。集権制度ゆえに起こり得る失政が国民生活を直撃したり、縁故主義な運営によって通貨の運命を左右することもない。

そして何よりも、コインは特定仲介業者、すなわち銀行を必要としないことから、恣意的な「バンキング格差が起こりにくいことが注目されている。

先進国の政治的な都合で制裁を課される国々の市民は、その多くが自国政治への参加すらままならない罪なき人々であるにもかかわらず、送金はおろか、口座を自由に開設する権利すら長年奪われ続けている。Eコマースが普通なこの21世紀に、通貨にすらアクセスできない人々の存在は極めて深刻な人権問題だ。

そうした国々では、今では銀行口座を持つことより、スマートフォンを入手することの方がたやすいとされ、コインはこれらの人々へバンキングの機会をもたらしている。コインを利用することで彼らの経済活動の枠は広がり悪い格差貧困改善の一つの突破口となり得ることを人類に示している。

こうしたことがコインの本質であり、それが世界のコインアダプターの支持を集める大きな理由の一つであって、投機性犯罪利用ばかりを強調することは、コインを考える上でその本質を完全に欠いてしまっている

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