BI論の落とし穴
小池さんの提案の中で「BI(ベーシックインカム)」を出してきたのは興味深いです。例えば小池氏自身がインタビューの中で次のように語っています。
今、AI、人工知能の研究がかなり急速に行われて、加速度的に行われて、それがいろんな分野に取り入れられつつございます。そういったなかで、AIが人に代わるといったような産業もこれから多々出てくるということを想定いたしますと、これまで働いておられた方々の働き場所における仕事そのものが変わっていくということを想定したなかで、このベーシックインカムというのを考えている。よって今日、明日すぐに導入するというものではありませんけれども、しかしこのAIの加速度的な、社会における存在が高まっていくにつれて、すでにこのベーシックインカムという考え方、これについて真正面から考え検討を進める必要があるのではないだろうかということでございます。
(10月6日の『希望の党』政策会見から)
人間の仕事がAIに取って代わられるかもしれない、その場合に備えて誰もが生活できるように、「ベーシックインカム」を用意する・・・ストーリーとしては良心的に見えます。
ただ、AIが実用化されるので「ベーシックインカム」というのは、要するに「ベーシックインカム」を受け皿として解雇規制を外すということに他なりません。
そこまでは合理性はあると言って良いと思います。ですが、問題はそこから先です。「日本の経済の仕組みをAIが人間に代わることで、生産性が上がっていくように変えて行けるのか?」それとも「一種の勤勉性カルチャーを失って日本経済は崩壊へ向かうのか?」ここは、実行に当たってのマネジメントのセンスが問われるように思いますが、その判断材料は余りにも乏しいのが現状です。
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