没落する日本の家電業界で、ツインバード工業がV字回復できたワケ

 

ツインバードの始まりは1951年まで遡ります。前身の「野水電化皮膜工業所」が新潟県三条市で創業しメッキ加工業を始めました。

71年ごろに、下請けのメッキ加工業からの脱却を目指し、自社製品やギフト商品の開発へ乗り出しました。ギフト商品は結婚式の引き出物で需要があるなど、それなりに売れたといいます。しかし、ギフト市場は大きくなく、すぐに飽きられるという特徴もあり、成長に限界がありました。

そこで、家電メーカーへと脱皮を図っていくことにしました。「ツインバード」のブランド名で製品開発を始めたのが77年です。その後に開発したインバーター蛍光灯が大ヒットするなど、家電メーカーとしての認知が徐々に広がっていきました。

90年代後半以降では調理家電が次々とヒットしました。それまで右肩上がりで伸びていた外食市場が90年代後半に減少に転じ、代わって家庭で料理して食事する「内食」が拡大するのに合わせて、電子レンジやホームベーカリー、オーブントースター、精米機など調理家電を次々と開発していったのです。

近年はリビングとキッチンが一体化した「リビングキッチン」が主流になっていることもあり、それに合わせてデザイン性の高い調理家電に注目が集まっています。そこでミラーガラスを取り入れたデザイン性の高い調理家電を投入していったことが功を奏し、ツインバード製の調理家電は人気を博すようになりました。

こういったこともあり、ツインバードでは調理家電が現在最もよく売れる製品群となっています。17年3月期の調理家電の売上高は全体の26%を占めるほどです。

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