「価値観の違い」で片付けなければ、離婚しなくて済んだ話

 

カチカンがクイチガう原因は、自分の考えや感覚が人類普遍の原理であるかのように思い込むことでした。普遍の定理を説明する必要はないので、コミュニケーションは行われずただ相手をボケナスのコンコンチキだと断罪してしまう結果になるんですね。そして、思い込みの元になっている自分の考えや感覚は、あくまで「自分が選択しているもの」にすぎません。

…え? 意外ですか?( ・∀・)ご自身に兄姉がいると経験的に解ると思いますが、たとえば、同じ家族で温泉に行った思い出なのに、「自分は温泉がヌルくて楽しくなかったと思っている」のに「兄姉は部屋が広くて嬉しかったと思っている」ってこと、よくありませんか? 自分と同じ体験をしても自分と同じ思考や感覚に至るとは限らないんですよ。つまり、兄姉は楽しい思い出を選んで覚えているのに対し、自分はつまらなかった瞬間を選んで覚え、それぞれが家族旅行をそのようなものとして覚えているんです。そう、「自分の思考や感覚は自分で選んだもの」なんです。

まずは、このこと自体を知っておきましょう。他の選択肢もあった、選びうるのだと考えることで、自分の考えを突き放して見つめることができ、それだけで頑なな思い込みから少しだけ離れることができますから。

自分の考えや感覚が思い込みに過ぎず、ひょっとしたら違うのかもと思えるようになると、次の段階が

  • 相手の考え方や感覚もアリかもしれない(・_・)!

と思えることです。自分の考えや感覚を絶対視しなくなれば、それが引っ繰り返って相手のものもまたアリで、さらにこれもまた絶対視する必要がないと気がつけるはずです。この段階に至ると、相手とハナシアイをして妥協点を探ることが可能になってきます。

夫婦や家族で問題が起こると、「話し合って」と言いますが、私はハナシアイの前提には、

お互いが

  • 自分の考えはひょっとしたらジョーシキってわけじゃないのかも
  • 相手の考え方や感覚もアリかも

と解っている必要があると思っています。どちらか一方でもこれをクリアしていないと、まず物別れでしょう。そりゃそーだよね。

日常生活ではよくカチカンのクイチガイに遭遇します。そこでのハナシアイを実りあるものにするためには、一にも二にも「ひょっとしたらコレはナシでアレもアリかもと思えるクールさが必要なんです。

カチカンのクイチガイ。大ざっぱにまとめる前に、自分の考え方を疑って。それほどジョーシキでもフツーでもないんですよ。

image by: Shutterstock.com

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