朝日新聞に、安倍・トランプの蜜月に関する以下のような記事が載った。
米政府関係者はいう。「大統領は、側近にも言わないことを安倍首相に相談
することもある」(中略)トランプ氏の就任後、日米首脳会談は4回、電話協
議は公表されているだけで16回と異例の多さだ。北朝鮮が核やミサイル開発
で挑発を行った後には、決まって連絡を取り合っている。(中略)首相周辺に
よると、9月下旬の日米首脳会談でトランプ氏は、フィリピンのドゥテルテ大
統領とも会うべきかと質問。首相が「会談した方がいい」と促すと、「わかっ
た。シンゾーがそう言うんだったら会談しよう」と応じたという。
首相周辺が言うことだから、眉に唾をつけていたほうがいいとは思う。だが、ほんとうにこういう間柄なら、安倍首相は責任重大だ。元外務事務次官で北朝鮮交渉も担当したことのある藪中三十二氏はTBSサンデーモーニングで次のような趣旨の発言をした。
「ホワイトハウスに北朝鮮の専門チームがなく、トランプ大統領が判断している。何をするかわからないだけに怖い」。だとすれば、安倍首相の対応次第では、トランプ大統領の暴走を誘いかねない。
いずれにせよ、今回のアジア歴訪でいくら成果を強調しようとも、トランプ大統領への支持率が急上昇するとは考えられない。この政権がいつまでもつか、はなはだ疑問である。国内で政治的な成果をあげられず、言動に批判が高まり、さらには選対の幹部がロシア疑惑で訴追されたのである。捜査の進展しだいでは、議会で大統領の弾劾が始まるだろう。
あまり蜜月を強調しすぎると、世界各国首脳の安倍首相に向ける眼差しも、さらに複雑になっていくのではないだろうか。
image by: 首相官邸HP