「ペルソナマーケティング」とは、架空の人物像を作り上げ、架空の人物のニーズによりマッチするメニュー構成、接客、販促を展開するというものです。この「ペルソナ」を明確にすることによって、「より」自店のターゲットにダイレクトにメッセージが届くようになったり、「より」ターゲットが好む商品作り、接客を行うことができ、競合店が多い中でも「とがった店」を作れるようになります。つまり、より差別化された店づくりをすることにつながるということです。
実際に、僕のご支援先にはこの「ペルソナマーケティング」に基づき、架空の人物像を作り上げ、このペルソナを皆で共有していただくようにしています。すると、今まではお店の中で「ターゲット」という意識が弱かったものが、皆で「●●(ペルソナ)はこれを好まないよ」といった話ができるようになり、商品や接客が今まで以上に「コンセプトに合致した」ものが提供できるようなりました。
僕がこの「ペルソナマーケティング」をご支援先にお勧めしているのは、これまで店のスタッフと様々なことで「もめていた」ことが要因としてあります。店に行くと、キッチンスタッフから「これ試食していただけませんか?」と言われるのですが、「味はいいけど、この商品ダメ」といった指摘をすることが多々ありました。
「味はいいけど、この商品ダメ」
この話をすると、通常多くのキッチンスタッフが怒り出します! そりゃそうですよね(笑)。料理として最も大切な「味」はOKをだしているのに、「でも違う」と言われれば、訳が分からず怒り出すのも無理はありません。
しかし、事実として「味はいいけど、この商品ダメ」なのです。なぜかといえば、こういった指摘をするときには、必ず、作り手側に「ターゲット意識」が欠けているからです。
例えば、お店のターゲット層が、「30代後半の男性」(ここでは敢えてペルソナマーケティングを使用しませんね)であるにも関わらず、提案した料理が「20代の女性が好みそうな創作料理的なもの」であれば、いくらその商品が、盛り付けがきれいでも、驚きがあっても、味がとてもおいしくても、その店の「ターゲット層」にはきっと「満足いただける商品ではない」可能性が高いからです。