効率を求めすぎたツケ。中間層が「AI」に殺される日もそう遠くはない

shima20180126
 

人手不足の解消、コスト削減、効率性などが重視され、多くの業種にロボット・AI化の波が急速に押し寄せています。その流れこそが少子高齢化で不安視されている日本の未来を救う手立てになると主張する専門家もいる一方で、無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』の著者・嶌さんは、「生産性が上がる反面で人間性が失われ、味気のない社会になる」との厳しい見方を示しています。

AI、ロボットが中間層直撃

過去に日本でもっとも多く赤ちゃんが生まれた年は、敗戦の混乱が落ち着きだした1949年だった。その数は269万6,638人。その前の47、48年も多く、47~49年をベビーブーム時代と呼んでいる。その3年間の平均出生数は約250万人だったが、2016年、2017年の出生数は戦後最少で100万人を切っている。出生数から死亡者数を引いた自然減は昨年初めて40万人を超えた(推計)。日本の少子化・人口減少の自然減は07年以降11年連続となっている。

その後、ベビーブーム時代に生まれた子供が親になった時に出生した71年から74年を第2次ベビーブーム時代といい、約210万人の子供が生まれている。しかしそれ以降の出生数は徐々に減少するばかりで、ここ2年間は100万人を割り込んでいるのだ。

かつては人口増大こそが成長の源と言われたものだ。実際、明治初期には約3,500万人だった人口は、大正期に5,000万人、昭和に入って1967(昭和42)年に1億人を超える。その後も人口は増え続け、最近は1億2,700万人台に達した。その間、第二次大戦の敗北、石油危機、リーマン・ショックなどの逆風時代もあったが、経済はほぼ順調に推移し1人当たりの国内総生産(GDP)は明治初期の750ドル程度からいまや優に3万ドルを超える世界第3位の経済大国にまで成長した。

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