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男性も取得できる育児休業。条件によっては対象にならない人も

「男が育児の手伝いで休むとは何事だ!」という古い考えが通用しなくなった今、「育児休業」というものについて正しく知っておく必要がありそうです。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では著者で社労士の飯田弘和さんが、「産前産後休業」の疑問に答えた前回に続き、育児休業についてQ&A形式でわかりやすく回答します。

御社の就業規則には、育児休業の定めがありますか?

育児休業は、法的に認められた労働者の権利です。したがって、従業員が望めば、御社は、その従業員に育児休業を与えなければなりません。

育児休業を取ることが出来るのは、女性だけではありません。男性も取ることができます。「育メン」ブームの今、男性の育休取得も増加傾向です。

「男が育休取るなんて…」

その発想、ヤバイですヨ! 絶対、従業員とトラブります!

育児休業の仕組みは結構ややこしい。御社では、担当者が、しっかり育児休業の仕組みを理解し、法的な権利を下回ることなく、育児休業を与えていますか?

育児休業を取ろうとする従業員は、事前に、その仕組みをちゃんと調べてきます。それが、全て正しいこともあれば、勘違いして理解している場合もあります。御社の担当者が、きちんと仕組みを理解していなければ、そこで、従業員とのトラブルに発展します。

トラブルを防ぐためにも、しっかりと就業規則に明記しておかなければなりません。そして、担当者の理解を深めるための教育も必要です。

御社の就業規則には、育児休業の定めがありますか? 御社の担当者は、育児休業の仕組みを理解していますか?

本日は、育児休業の仕組みのうち、一番オーソドックスな、育児休業の基本となるものをお話します。

問1 育児休業はいつから取れるの?

女性の場合は、産後休業期間終了日の翌日から取れます。男性の場合、出産日当日から取ることができます。

問2 いつまで取れるの?

女性・男性ともに、子供の1歳の誕生日の前々日まで。

問3 育児休業を取れるのは誰?

もちろん、子供を授かった従業員です(この「子供」とは、実子でも養子でも構いません。ここでは詳しいお話はしませんが、「特別養子縁組の監護期間中の子」、「養子縁組里親に委託されている子」、「その他これらに準ずる者として厚生労働省で定める者に、厚生労働省で定めるところにより委託されている者」も、育児休業の対象となる「子」にあたります)。

そして、日雇い労働者を除くすべての従業員が対象です。男性でも女性でも関係ありません。正社員はもちろん、パートさんでもアルバイトでも、嘱託社員さんでも、皆さん取ることができます。

ただし、パートさんや嘱託社員のように、期間の定めがある労働条件で働いている方は、「雇用されてから1年以上」たっていて、「休業終了後も引き続き雇用される見込みの人」しか、(法的には)育児休業を取る権利がありません。

※ この「休業終了後も引き続き雇用される見込みの人」ですが、正確には「子が1歳6ヶ月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでない者」となっています。表現が、堅苦しいでしょ。

また、労使協定を結ぶことで、育休の対象から外すことができる人達もいます。この場合、必ず労使協定の締結が必要です。

  1. 雇用された期間が、1年未満の従業員。
  2. 1年(1歳6ヶ月までの育児休業の場合は、6ヶ月)以内に雇用関係が終了する従業員。
  3. 週の所定労働日数が2日以下の従業員。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、育児休業の定めがありますか?」

image by: Shutterstock.com

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就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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