スパコン詐欺の社長が、「脱税」でも逮捕されたカラクリ

 

というのは、この「ペジーコンピューティング」という会社は、まず最初に、開発費用を実際よりも水増しして計上し、助成金を不正に受給したということで、起訴されています。政府に出す書類で、開発費用を水増ししていれば、当然税務署の申告でもその水増しした数字で提出することになります。助成金の申請にだけ嘘を書いて、税務署の申告書に本当のことを書くわけはありませんからね。だから、必然的に嘘の税金申告をしているわけで、結果的に「脱税」となっているわけです。つまり、脱税をしようと思って脱税をしたというより、助成金をだまし取るためについた嘘が結果的に脱税にまで発展したということなのです。

ところで、このペジーコンピューティング社は、助成金の不正受給によって大きな収益を得ていたわけで、脱税した所得のほとんどもこの不正受給がらみのものだと思われます。いわば、犯罪によって収益を得ていたわけです。だから、犯罪収益に対して追徴課税が課せられたことになります。

これって、ちょっと不思議に思いませんか? 犯罪で得たお金に対して、税金はかかっているのですから。極端に言えば、オレオレ詐欺とか、違法薬物の販売で得た収益に税金をかけるのと同じことなわけです。オレオレ詐欺とか、違法薬物の販売の収益に対しても税金はかかるのでしょうか?

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