戦争は「準備」だけで十分儲かる。米国が北に仕掛けた戦争ビジネス

 

米国軍事関連研究予算の優先順位

自身の経験では、たとえば軍事研究においては「ブッシュ大統領の911事件のころから、『対テロ戦争』という名目で、軍事に関する研究が以前よりも活発になったと感じる。つまり、同じカテゴリーで研究のトピックが作りやすくなり、国防省も予算を関連研究に下ろしやすくなった」という印象である。

たとえば、中東のISIS等の起こした紛争を除き、その他の戦争が一旦は一段落していた2010年〜2016年以降は、「以前と比較すると国防省から予算が取りにくくなった」という話を関係者から聞いている。つまり、世の中が平和になってくると国防省軍関連施設の予算の規模は小さくなる。国防省から下りてくる予算の優先順位は、まず、1. 米軍内での研究、次いで、2. 製品開発を始めとした企業との研究、その後ようやく3. 大学研究機関に研究費が下りてくるという図式である。

大学は実戦や実地とは最も遠い基礎研究をすることが多いので、軍事研究の予算が最後に落ちてくる部署ということになる。それでも、ブッシュ政権期は大学にテロ関連の研究費が回って来やすかったと感じることができた。つまり新しい戦争、しかも従来とは異なるタイプの戦争が近づくと、米国政府から関連予算が広範囲の組織に渡って下りやすくなるのである。

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