陸自ヘリ民家墜落から1ヶ月。軍事のプロが分析した真の事故原因

 

事故直後の5日、私は次のようにツイートしました。

戦闘ヘリの墜落、ローター破断など突発的トラブルで制御不能になり住宅を避けられなかったのだろう。私の同期生・高橋謙三氏が三菱重工のテストパイロットとしてMH2000ヘリのテールローター破損に遭いながら、住宅を避けて不時着、本人は殉職したが同乗者は全員助かった。今回も可能なら避けただろう

そして6日の時事通信に次のコメントを出しました。

軍事アナリストの小川和久静岡県立大特任教授は『ブレードの金属破断やローターの取り付けが不十分だったのでは』と指摘する。エンジントラブルであれば、空気圧でローターを回しながらゆっくりと降下するオートローテーションという機能が働くためだ。今回の事故について『起きてはいけないことだが、軍用機に特異なことではない』と説明した。

ドライブレコーダーの映像では、目達原飛行場を離陸して7分後、水平飛行に移った直後のアパッチが突然機首を真下に向けて墜落したのです。しかも、落ちていく機体から回転翼のブレード(羽根)のようなものがちぎれて飛散しているのもわかりました。これは突発的に回転翼に重大なトラブルが発生したとしか思われない光景です。民家を避けたいと思いながら、どうしようもないまま亡くなった2人のパイロットの無念が思われてなりません。

回転翼が無事であれば、上記のコメントにあるように、エンジンが停止しても回転翼がパラシュートのような役割を果たすオートローテーション機能が働きます。中型機以下の機体ならオートローテーションでソフトに着陸できますし、回転翼の面を操作することで民家を避けて不時着することもできるのです。大型機の場合のオートローテーションでは、ハードランディングしかできませんから機体は壊れますが、民家を避けるような操作は可能です。

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