占部 「みなさんご存じの紫式部です。彼女が源氏物語の『乙女の巻』で初めて使うのです」
教師B 「どんな場面なんですか」
占部 「光源氏の息子の夕霧が元服を迎えるのです。そこで、光源氏は夕霧を大学に行かせることにします。これに猛反対をするのが、光源氏の亡くなった妻の母親にあたる大宮です。それは反対して当然なんです。当時の大学は官吏の養成機関でして、中下級貴族の子弟が出世を目指して行くのです。ところが極めて高い地位にいる光源氏の子であれば、そんな機関に行かなくても高位高官の地位は約束されているわけです。だから大宮は、かわいい孫を大学に行かせて遠回りさせるとは何事かと光源氏に文句を言うわけです」
教師C 「そんなくだりがあるんですか」
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