大赤字からの逆転劇。栃木を蘇らせた奇跡の「道の駅」

 

沖縄&栃木連合が誕生?~地域連携が地方を救う

地方創生のキーマンとして注目を集める松本が、沖縄県うるま市にいた。「地域と地域、栃木と沖縄を結んで新しいマーケットを築いていく」と言う。

向かった先は、うるま市が建設中の農産物などの直売所。松本は来春オープン予定のこの施設のプロデュースを任されたのだ。松本に依頼した島袋俊夫市長はうるま市の良いものを全国に発信していける。そのネットワークをぜひファーマーズ・フォレストに期待したいと思います」と言う。そのためにファーマーズ・フォレストは、沖縄支社を今年5月に開設、現地にスタッフも送り込んだ。

松本は今回のプロジェクトを地元の企業、中村薫さんが率いるプロモーションうるま」とともに進めようとしていた。「プロモーションうるま」は3年前に開設。これまで近海でとれたワタリガニと特産品のもずくを合わせた天麩羅や、同じく特産の黄金芋を使ったラスクなどを、生産者と共に生み出してきた。松本は自身のノウハウを中村さんに伝えることで、将来は地域商社として一人立ちさせたいと考えていた。

「松本さんと一緒に取り組むことによって、どれだけ地元に落とし込めるかが、ある意味で、僕の役目だと思っている。そういう意味で、師匠でありパートナーです」(中村さん)

9月26日、「ろまんちっく村」では「沖縄フェア」が開かれた。直売所に並んだのは沖縄の名産品およそ100種類。地域同士が連携して互いの名産品を紹介し合おうという試みの第一弾だ。

「今までは都市に行かないと沖縄の物が買えなかったけど、仕組みを作ることで盛り上がるんじゃないかなと思います」(松本)

豚の皮を油で揚げたスナック「あんだかしー」、畳に使う「いぐさ」が入っている「ちんすこう」……と、ディープな商品も並んでいる。

「沖縄に行きたいけど行けないので、こちらに来てもらえると身近に感じられて楽しい」という客の反応に、「思っている以上に手応えを感じます」と、松本は笑顔を見せた。

 ~村上龍の編集後記~

地方・地域再生は喫緊の課題だが、具体的な地名、固有名詞が必要なのかもしれない。

機械は一律の再生が可能だが、人の再出発も年齢や個性や、経歴によって違う。100の地域があれば、100通りの再生がある。

松本さんは、「ろまんちっく村」の風景と風情にひかれて、関与を決め、再生に乗り出した。「地域商社」という名称は若干わかりづらいが、地域資源をすべて活用し、物流を含め、連携を図るということだろう。

各地域には個性と独自の歴史があるファーマーズ・フォレストは徹底してそれらを活かす

<出演者略歴>

松本謙(まつもと・ゆずる)1967年、長野県生まれ。慶應大学卒業後、日産自動車に入社。1996年、クリーン工房に転職。2007年、ファーマーズ・フォレスト設立。

source:テレビ東京「カンブリア宮殿」

image by: YouTube RIZAP(ライザップ)公式チャンネル

テレビ東京「カンブリア宮殿」

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