「こんなに時間にかけたのだから」と、時間をかけたことを主張する人って、よく周りにいませんか? その主張は、逆に自分がいかに普段から仕事と向き合っていないかを露呈するものだと、メルマガ『ビジネス真実践』の著者で営業・マーケティング戦略コンサルタントの中久保浩平さんは語ります。時間をかければいいものができる、その考え方自体が間違っているそうですよ。
時間をかければいいものができる?
「三日三晩徹夜で考えた案なのだから、上司もきっと認めてくれるに違いない」
「こんなに時間をかけて作り上げた企画なんだからきっと通るだろう」
「これほど素材にもこだわり、開発に何十年もかけたのだから売れるに違いない」
などと、とにかく時間をかけたことを主張する人がいますよね? でも、時間をいくらかけたかなどはどうでもいいことで、それだけの時間をかけたからといってその企画が良いものとは限りませんし、必ずしも上司が認めてくれるものでもありません。お客様にとって良い商品であり、売れるという保証もありません。時間をかけるということと、その時間の中で取り組むことの質とは比例するわけではないのです。
そもそも時間をかければ良いものが出来る、認められる、という考えが間違っているのです。良い企画を練ろう、良い商品を開発しよう、良いサービスを提供しよう、良いアイデアを出そう、などということと時間をかけるということとは関係ないことです。
企画、商品、サービスを生み出す為に時間をかけなければできないということは、裏を返せば、普段から良いものを生み出そうという意識が低く、そのための行動が伴っていないということを露呈しているに過ぎません。普段から良いものを生み出そうとしていれば時間をかけなくてもパッとアイデアが出てきたり、時間をかけて何十枚にも及ぶ企画書にしなくてもペラ1枚の企画書で十分通用するものになるはずです。
つまり、時間をかけたからといって必ずしも良いものを生み出すということではなく、普段からいかにして良いものを生み出そうと考えながら仕事と向き合って取り組んでいるかどうかなのです。
かかった時間というのは、あくまで結果です。
よく映画などの宣伝文句で「構想から5年。遂にあの話題作が!」なんてものがありますが、そもそも5年間かけて構想を練り、制作していったということではなく、構想から制作までに結果的に5年かかった、というのが正しい解釈です。
結局、時間をかければ良いものができるというものではなく、いかに時間をかけずに考えながら取り組むか? が重要なのです。その為には普段から良いものを生み出すための工夫であったり、それに伴う行動が必要となってきます。そうした日々の中で、良いものを生み出す力を鍛えることができるのです。そして、不意にアイデアや企画の提案を求められたりしてもパッと良いものが出てくるようになるのです。
かかった時間を主張していても意味がありません。かかった時間はあくまで結果です。このことを十分に踏まえて、お客様にとって良い商品やサービス、企画をいつでも生み出せるようにしておきたいですね。
■今日のまとめ
『良いものを生み出すためには普段から考えているかどうか。』
- アイデアや企画提案を不意に求められたとき、パッと応えることができるようにするためには、普段からどのような工夫や意識が必要か?考えノートに書き出す。
- 書き出したことを実践する。
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