県民を置いて逃げる訳にいかぬ。沖縄戦で自決した知事の感動秘話

 

岡田 「沖縄県知事として赴任した島田は、目覚ましい働きをします。その一つが県民の疎開です。犠牲を少なくするため、島田は沖縄本土にいた約49万人のうち、22万人の人々を僅か2か月で疎開させるんです。結果的には、約10万人の県民が亡くなりましたが、もし島田の努力がなければ犠牲者は2倍にも3倍にもなっただろうといわれています」

服部 「大変な功績ですね」

岡田 「そうしていよいよアメリカ軍との戦闘が始まると、本土から来ていた民間人の避難も始まりました。その時、親しかった新聞社の支局長が訪ねてきて『知事さんは軍人ではないのだから、沖縄県民と最期を共にしなくてもよいのではないか』と言います。しかし島田は次のように答えます。

知事として私は生きて帰れると思うかね。県民がどれだけ死んだか知っているだろう。私ほど県民の力になれなかった知事はいない。

そしてその言葉のとおり、島田は沖縄に残り、自決して県民と最期を共にしたと。島田の生き方は、役人や指導者のあるべき姿の手本です」

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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