金正恩の憂鬱。トランプの逆鱗に触れた「北朝鮮外交」の行く末

 

なぜトランプは、考え直したの???

トランプは、「中止宣言」の中で、はっきりと北を脅しました

あなたは自分の核能力の話をしますが、我々のはあまりに巨大で強力なので、決して使わずに済むよう私は神に祈ります。

脅したうえで、逃げ道を用意します。

この首脳会談について、もし考えが変わるようでしたら、ぜひ遠慮なく私に電話するなり手紙を書くなりしてください。

この書簡を見た金さんは、どう思ったでしょうか?

「ヤバ! トランプ、マジで怒ってるよ…。戦争になったら100%殺される!

というわけで、北は急いで関係修復に乗り出しました。金桂寛(キムゲグァン)第1外務次官は25日、談話を出します。一部抜粋。

歴史的な朝米首脳対面について言うなら、我々はトランプ大統領が過去のどの大統領も下せなかった勇断を下して首脳対面という重大な出来事をもたらすために努力したことを依然として内心高く評価してきた。ところが、突然、一方的に会談の取り消しを発表したのは、我々としては予想外なことであり、極めて遺憾に思わざるを得ない。

「トランプ式」が双方の懸念を共に解消し、我々の要求条件にも合致し、問題解決の実質的な作用をする賢明な方案になることをひそかに期待したりもした。我々の国務委員長(金正恩〈キムジョンウン〉朝鮮労働党委員長)も、トランプ大統領と会えば良いスタートを切ることができると述べ、そのための準備に全力を傾けてきた。

我々は、いつでも、いかなる方式であれ対座して問題を解決する用意があることを米国側に改めて明らかにする。

数日前まで、「核による最終決戦を警告してきた国とは思えない談話ですね。これを受けてトランプは25日(=中止発表の翌日)、「6月12日の開催もあり得る」と発言しました。

翌26日、電撃的に2回目の南北首脳会談が開催されました。AFP=時事5月27日。

【AFP=時事】韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は26日、北朝鮮との軍事境界線にある板門店(Panmunjom)で、同国の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長と2回目の首脳会談を行った。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と金委員長による歴史的会談の実現を目指す動き。

この会談で金は、

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と26日に急きょ行った南北首脳会談で、米朝首脳会談をシンガポールで予定通りに実現することについて、確固たる意思を示した。

これで、当初の予定通り、6月12日に首脳会談が行われる可能性がでてきました。

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