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【書評】すでに優秀な子には備わっている「3つの社会人基礎力」

人は挫絶を乗り越えながら前進する方法を習得していく過程の繰り返しで成長するものですよね。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが一冊の本を引用しつつ、挫絶から「回復力」の高い子どもは社会に出る前から既に「社会人基礎力」と言われる3つの要素と同等の能力が高いと分析されるので、意識して身につけておくことが大切と記しています。

並はずれた人は、はじめからそうだったのか

ビジョナリー・ピープル
ジェリー・ポラス他・著 英治出版

以前、ジェリー・ポラス氏などが著した書籍『ビジョナリー・ピープル』を拝読しました。その中で、「並はずれた人」として著された一節がありました。その一節には、社会人のみならず、子どもたちがこれから成長する上でも大切なことを著されていましたので、本号では、この一節を引用しつつ考察していきたいと思います。

『ビジョナリー・ピープル』に著されていた一節は、以下の通りです。

並はずれた人は困難な課題に対してほぼ例外なく、一歩後退して二歩前進、ときには二歩後退して一歩前進を繰り返している。そして、思いどおりにいかないことから逆に役立つ教訓や知識を手に入れ、そして驚くべき回復力を、つまり逆境から立ち直る能力を発揮する。

 

彼らはただ前向きに考えているだけではない。挫折が自分自身の失敗のせい、あるいは単なる不運のせいのどちらであっても、そのときどきの感情を乗り越えて、対処し前進する力を駆使する。また、自分のおかれた境遇を他人の責任にすることもない。

 

逆に、自らの意識をさまざまな活動に集中させて、問題の解決や対処ができるようコントロールしようとするものだ。

(p16~17より引用)

この一節からまず思ったことは、古今東西の著名な経営者などといったリーダーたちは、文中にあるような過程であったり、力であったり、そういったものを駆使しているように感じました。

例えば、今でこそ、大企業と言われる著名な企業であっても、これまでの過程などにおいて、すべてが順風満帆の中で進んできていないように思います。まさに、文中にあるように

といったように、数々の困難に立ち向かいながらその歩を進めてきたことでしょうね。

ビジネス界における起業家や創業者、経営者などのリーダーに限らず、スポーツ選手などにおいても同様なことが言えるでしょうね。

経済産業省が定義づけている「社会人基礎力」というものがあります。その中で挙げられている各能力、能力要素が、上記の一節に関連しているように思います。社会人基礎力として挙げられている能力は3つあり、

が挙げられています。また、それぞれの能力の能力要素として12個の要素も挙げられています。前に踏み出す力には、3つの要素があり、

が挙げられます。考え抜く力の要素も3つあり、

が挙げられています。チームで働く力の能力要素には、

この6つの要素があります。上記の一節に出ている力と社会人基礎力の中にある能力には、重なる部分があるように思います。

例えば、一節の文中にある「前進する力」は、まさに、前に踏み出す力であり、とりわけ、実行力に重なります。「問題の解決や対処」は、考え抜く力であり、課題発見力、創造力が該当すると言えるでしょう。また、「そのときどきの感情を乗り越えて対処」するためには、情況把握力やストレスコントロール力が必要でしょうね。「自分のおかれた境遇を他人の責任にしない」ためには、主体性を発揮することが大切になります。この他にも、色々と挙げられるでしょう。

『ビジョナリー・ピープル」』の一節には、「並はずれた人」と著されていますが、この一節にある力と社会人基礎力にある能力・能力要素と見比べてみると、重なる部分も多々あります。

一人ひとりが生み出す成果によって、周りに与える影響には大きい、小さいといったことがあるかもしれません。しかし、価値を生み出し、成果を出し続けていくためには、たとえ、新入社員であっても、上記の一節にあるような力が求められるのではないでしょうか。

そして、将来、実社会へと羽ばたく子どもたちにとっても、上記の一節にある力や社会人基礎力に挙げられるような能力を身につけていくことが大切になってくるのでしょうね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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