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2020年の祝日が大移動?「東京だけでやれよ!」と不満の声が続出

気づけば2年後に迫った東京オリンピック。56年ぶりの日本での開催に、政府は「改正東京五輪・パラリンピック特別措置法」を施行し、2020年に限って祝日を五輪開会式、閉会式の前後に移動させることが明らかとなりました。なぜ、政府はこのような措置をとるのでしょうか? 無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』で詳しく紹介しています。

改正五輪特別措置法

2020年の東京オリンピックに向けて、祝日が動くらしい。働き方改革法案も大忙しだが、国会では、あらゆる決め事をするのにホント大忙しだなぁ…。


大塚 「新米くんと一緒にL社さんの就業規則の打合せをしてきたんですけど、休日を変えるみたいですよ」

E子 「あ、そうなの?どんな風に?」

新米 「いま、1年単位の変形労働時間制をつかってるんです。土曜出勤が月に1日程度あるんですが、土曜日を全部休日にできるそうなんですよ」

E子 「へぇ~、週休2日制になるんやね」

新米 「そうなんです」

E子 「祝日はどうだった?」

大塚 「祝日は出勤扱いですよ」

深田GL 「祝日と言えば、2020年は、東京オリンピックの関係で大幅に日にちが変わるそうだよ」

大塚 「大幅に日にちが変わるってどういうことですか?」

深田GL 「2020年は東京五輪の開会式がある7月24日前後を4連休閉会式がある8月9日前後を3連休にするそうだ」

新米 「え~、3連休に4連休!? それはスゴイなぁ…」

E子 「2020年に限り、『海の日』『山の日』『体育の日』を移動させて五輪開催に合わせることになったんだって」

大塚 「『体育の日』もなんですか?」

E子 「そうみたい」

新米 「つまり、どうなるんですか?」

深田GL 「具体的には、毎年7月第3月曜日の『海の日』は開会式前日の7月23日に、10月第2月曜日の『体育の日』は開会式当日の7月24日に、8月11日の『山の日』は閉会式翌日の8月10日に移すそうだ」

E子 「2020年は、7月23日が『海の日』、24日が『体育の日』の祝日で、25日が土曜日、26日が日曜日で土日がお休みのところは4連休ってことね」

新米 「えっと、8月は~?」

E子 「8月は、8日が土曜日、9日が日曜日、10日が『山の日』になって3連休になるって考え方ね」

深田GL 「開会式や閉会式の前後は多数の海外要人が訪日・離日するから、その期間に祝日をあてて首都圏の通勤・通学者を減らすことで、渋滞を緩和し、要人の警備に支障が出るのを避ける狙いがあるそうだよ」

大塚 「そういう理由なんですねー」

新米 「でも、祝日ってそんなに簡単に変えられるんですか?」

深田GL 「2020年に限って3つの祝日を東京五輪の前後に移す『改正東京五輪・パラリンピック特別措置法』っていうのが6月13日午前の参院本会議で与党や立憲民主党などの賛成多数で可決、成立したんだ」

新米 「そうか、これも法律なんだ」

E子 「参院本会議ではこのほか、2020年から『体育の日』を『スポーツの日』に改称する改正祝日法、『国民体育大会』を『国民スポーツ大会』に改める改正スポーツ基本法、ドーピング防止を国の責務と位置づけるドーピング防止活動推進法も可決・成立したそうよ」

大塚 「へぇ~、同時にいろいろな法律が成立したんですね」

E子 「国民の祝日は、正式には、1948(昭和23)年7月20日施行の『国民の祝日に関する法律』第2条で定められているわ」

新米 「今回、祝日が増えるわけじゃなくて、移動するだけですよね」

深田GL 「うん、そうだよ。地方では関係ないだろっていう声もあがってるみたいだ。本来は休みだったはずの日に学校や会社に行かねばならなくなった! って声もあるらしいな」

E子 「ツイッターなんかでも、いろいろ言われているそうね。『首都圏だけやれば十分なことをなぜ全国でやるのか』『東京以外の地域は街が混み合うかどうかは関係ない。そもそも、法律で決めるべき事案なのか』『偉い人は東京中心でしか物事を考えていない』とか」

深田GL「他にも『会社に行くか遊びに行くかの違いで、交通機関の利用は変わらないのでは』とか『その施策で、混雑が緩和できるのか激しく疑問だ』という効果のほどを疑問視する声もあるみたいだね」

E子 「『秋の連休がなくなるのはつらい』という声もあるそうね」

大塚 「たしかにいろんな意見はあるでしょうね」

新米 「あれっ、ネット上の2020年のカレンダーは、まだ変わってないですね」

大塚 「カレンダー印刷までには、いろいろ対応するでしょ」

新米 「今使っている、1年単位の変形労働時間制の労使協定のソフトはどうなるんでしょうね」

深田GL 「あれは、給与計算ソフトと違ってバージョンアップはないと思うな」

E子 「たぶんそうよね。2020年はカレンダーつくるのにしっかり注意しないとね」

大塚新米 「はーい」

E子 「私、今回の件で、祝日のこと調べて初めて知ったんだけど、祭日って現行の祝日法では全て祝日で、もはや法律上の祭日っていうのは存在しないんですってね」

新米 「え~、そうなんですか。僕も知りませんでした。昔、おばあちゃんからこの日は、祝日でこの日は祭日だよって教えられた記憶がありますけど、もうとっくにそうじゃなくなっていたんですね」

E子 「『祭日』っていうのは、読んで字のごとく『お祭りの日』でしょ。何の『お祭りの日』かとっていうと、皇室を中心とする神道のお祭りの日なんだって」

大塚 「え? そういう意味なんですか?」

深田GK 「まず、お正月だな。1月1日。それから、紀元節。2月11日。今の『建国記念日』だね」

E子 「それに、春分の日秋分の日4月29日の天皇誕生日、今は『昭和の日』ね」

新米 「ふーん」

E子 「あとは、11月3日の『文化の日』、11月23日の『勤労感謝の日』この7日が祭日だったのよ」

深田GL 「1948年、戦後の法改正で祭日はなくなったわけだけど、おじいさん、おばあさんは今でも祭日って言ってる人も多いんじゃないかな」

新米 「うちがそうです」

大塚 「最近では、ほとんど見られなくなったけど、天皇陛下のお誕生日をお祝いするなどで、家の軒先に国旗を掲げる家も多かったですね」

新米 「あ、そうか。国旗を掲げていたのは、祝日じゃなくって祭日にあたる日ってことだったんですね」


国民の祝日(wikipedia)

国民の祝日は、日本の法律「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号。以下「祝日法」または「法」。1948年(昭和23年)7月20日施行)第2条で定められた祝日である。

 

かつての休日法である「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」および「休日ニ関スル件」から継承される祭日由来のものがあるが、現行の休日法である祝日法では全て祝日としており、法律上の祭日は存在しない。

 

祝日法第1条では「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」と、法の趣旨を説明している。

 

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【著者】 イケダ労務管理事務所 【発行周期】 週刊

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