トランプが金正恩と習近平にダマされぬよう安倍総理がすべきこと

 

私は、本音だと思います。北朝鮮核問題に対する中国の立場を簡単に復習しておきましょう。

中国は、北朝鮮の核に一貫して反対しています。しかし、その理由は、日米韓とは異なる。日米韓は、「北朝鮮が、核攻撃するかもしれないから」反対している。中国に、そんな心配はありません。しかし、核兵器不拡散条約(NPT)体制崩壊を恐れて、北の核に反対している。

NPTによると、中国は「合法的に核兵器を保有してよい国」なのです(他には、米英仏ロ)。北朝鮮の核保有を許せば、日本や韓国が核を持てない根拠がなくなってしまいます。それで、中国は、北の非核化を支持している。

そして、中国は、「北朝鮮が存続すること」を強く望んでいます。北朝鮮は、「アメリカの中国侵略を防ぐための『緩衝国』だから」です。この点、ロシアと立場は同じ

そして、今回のディールを思いだしてみましょう。アメリカは、北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮は、完全な非核化を行う。北から核はなくなり、北朝鮮は存続する。これは、まさに「中国の望むディール」といえるでしょう。では、中国の「一人勝ち」なのでしょうか? そうともいえません。北が核兵器を放棄すれば、日本、アメリカ、韓国は、「核攻撃の脅威」から解放されます。

では、北朝鮮の金体制が存続することはどうなのでしょうか? 北が拉致被害者を返し、今後誘拐しないのであれば、金体制がつづいても困りません。トランプは、「アメリカは、制裁を解除できるが、経済支援は日本がする」といいました。金が、「経済支援してくれ」といってきたら、「拉致被害者を返したらしましょう」といえばいい。

というわけで、「北は非核化アメリカは体制保証」というディールは、関係国(日米韓中ロ北すべてにプラスになる、「ウィンウィンディール」なのです。

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