中国の裏切りに気づいたか。トランプ、露のクリミア併合容認の訳

 

トランプは、正しい戦略に戻るのか?

しかし、就任から1年半が過ぎ、いろいろと変化が起こっています。皆さんご存知のように、トランプは米中貿易戦争を開始しました。また、彼は、習近平が金正恩を操り、「米朝首脳会談のディールを邪魔していることにも不満なようです。いってみれば、お人好しのトランプも、「習がウソツキであること」に気がついた???

もし、トランプが、オバマさんのように、「中国こそが真の脅威だ!」と悟り、それで「ロシアと和解しよう」と動き出したのであれば、めでたいことです。

しかし、疑念もたくさん残ります。というのは、トランプは、世界中でケンカしている。貿易戦争に関しては、中国だけでなく、日本、欧州ともケンカしています。パリ協定離脱で、世界から非難された。イラン核合意離脱、イラン、イギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアから批判されている。エルサレムをイスラエルの首都認定し、イスラム世界を敵にまわした。

これらの動きを見ていると、「戦略ある人」の言動には思えません。戦略のある人であれば、オバマさんが05年にやったように、「大部分の国々と仲良くすることで、中国を孤立させる」ように動くはずでしょう。ところが、トランプさんは、「アメリカが孤立する行動」をくりかえしています。

こう考えると、現時点で「トランプは正しい戦略に戻った」とは断言できません。しかし、希望をもって見守っていきましょう。

image by: shutterstock

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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