EVシフトもガラパゴス?日本の住宅事情がEV車の普及を妨げている

 

私が、日産で日本での電気自動車の販売促進をする立場にあれば、設置費用を負担するなりして、新築の高級マンションの駐車場の少なくとも3割ぐらいに充電器が設置されている状況を作り出すことに力を入れると思います。

高級マンションに住めるような富裕層はパイが小さいと感じるかも知れませんが、彼らが乗り始めることによって、普通の人も欲しくなるという効果は確実にあるので、最初の段階ではとても有効だと思います。

しかし、私の知る限り、東京近郊では、パーク24によるカーレンタルサービスなどにより(米国とは違う形での)「シェアリング・エコノミー」が急速に進んでおり、電気自動車が普及する前に、「自動車は持つものではない時代になってしまう可能性が高いと私は見ています。

そうなると日本の都市部で電気自動車へのシフトが本格的に起こるとすれば、それはレンタカー会社やタクシー会社が電気自動車を全面的に採用した時であり、その場合には、充電器は業者が提供することになるし、そこに必要な電力の調達方法は、その業者次第ということになり、米国での電気自動車へのシフトとは大きく違うルートを取ることになります。

そう考えると、日産は「タクシー会社やレンタカー会社が欲しがるような電気自動車は何か」を真剣に考えて、リーフを最適化させて行く、という戦略を取るのも悪くないと思えてきます。テスラはモデル3の量産で大忙しだし、トヨタは「ジャパン・タクシー」という新車両をタクシー業界向けにリリースしたばかりなので、今はちょうど良いタイミングのように私には思えます。米国ではUberのドライバーが同様なニーズを持っているでしょうし、テスラとの差別化戦略としても面白い方向性だと思います。

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