平成最悪の豪雨被害、気象予報士が恐れた「バックビルディング現象」

 

私が1994年に気象予報士第一号となり、ニュースステーション(テレ朝)に出演していた時、福岡で1時間に100ミリ近い雨が降りトップニュースで報じられました。

確か…1997年だったと記憶しています。当時、報道番組のトップニュースで台風以外の気象現象が報じられるのは珍しいことで私も「100ミリの雨を体感して来い!」とプロデューサーに命じられ、筑波の気象研究所で人工的に降らせてもらい、「久米さん~~、これが100ミリの雨です~!」などと中継しました。

100ミリの雨はまるで滝の中にいるようで、土砂は見る見るうちに崩れ、非常に切迫感がありました。

その後、集中豪雨は頻発するようになり、東海地方で「集中豪雨は一回で終わるというそれまでの常識を覆し、断続的に100ミリ近い雨が降りました。ジャイアンツの選手が新幹線で長時間缶詰になったので記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

また、上越地方で今回と同じようにバックビルディング現象で豪雨となり被害も出ました。2000年に入ってからも、度々バックビルディング現象による豪雨被害が続いています。

温暖化の影響?

それもあります。特に近年は海水温が高くなる傾向にあり、雨粒の元となる湿った空気が次々と補給されやすくなっています。

ただ、今回もハザードマップが示した通り、雨に弱い地域での被害が多くなりました

自分が住んでいる土地がどういうところなのか? 警報が出た時にどう行動するか? 家族との連絡をどうするか?

そういった非常時の決め事をきちんと整理し、ご近所とも連携して、高齢者や子供などへのサポートの手順を確認してください。

そして、国も日本は豪雨、地震、火山と災害大国なのですから、米国のFEMA(Federal Emergency Management Agency)のような政府機関設立や、避難所を学校などに委ねるのではなくシェルターのようなものを整備することなどを議論して欲しいです。

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