脱税で起訴され、最高裁まで10年かけて徹底的に闘い続けたが、経理事務の監督不行届けで罰金刑を受けた。追徴金10億円、罰金2億円。週刊誌はさらに面白おかしく書きたて、すっかり強欲医者のイメージがついてしまった。バブルがはじけて100億円もの借金を背負った。さすがにお金の管理態勢を改めた。
国税の査察が入ったのとほぼ同時に、クリニックで働いていたドクター5人が事前に相談もなく辞めた。看護師から事務員までめぼしいスタッフをごっそり引き抜いて独立した。裏切られたという思いで一杯だった。彼らがクリニックを開いたので、高須は「平成美容外科」という安い価格設定の医院を作って、近隣にそのチェーン店を出した。10年かかったが、全部潰していったという。
高須には一度見た手術は完璧に覚えられるという特技がある。国内で活動できなくなった時は、海外の病院で施術していた。このときに行った整形の数々は世界各地で学界発表も行って大反響を呼んだ。知名度はますます上がり、巨万の富が生まれ、バブルの大借金も返済できた。おもしろい話、いい話、桁外れな金持ち話が満載。本書の印税は全額、2018年2月6日に台湾で発生した地震の被災者支援のために寄附しますという追記があった。えらいなー。
編集長 柴田忠男
image by: Twitter(@高須克弥)
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