相手から「もっと詳しく聞かせてくれないか?」を引き出す商談術

 

実践1:明確な目的の提示

限られた時間の中で要点を伝えるわけですから、当然、話す内容を絞り込む必要があります。ですが、単に普段1時間でやっているプレゼンを数分のボリュームにまとめればよい、というわけではありません。

よくやりがちな間違いがアジェンダの説明をしてしまうこと。「今日お話したいことは3つあります。1つめは・・・」という、プレゼンでよく聞くアレのことです。これは、一切不要。時間のない相手に対してはこの時間すらも惜しまなくてはなりません。

大事なのは、 開口一番相手に興味を持ってもらえるかどうか。時間のない相手が知りたいことはあなたの話の全体像ではありません。相手にとって最もうまみのある情報を一番に提示する必要があるんです。つまり、最初に必要なのは目的(objectives)を明確に伝えること。

あなたが、なんのために来たのか。そして、今回の訪問は相手にとってメリットのある話なのか。これを瞬時に伝えない限り、忙しい相手が耳を傾けるはずがありません。

「今日は時間がないから、また今度」と言われて終わり。時間がない、というマイナスを一気にプラスに転じるような魅力的な目的を提示する必要があります。この「目的」をみなさんは、どう捉えますか。

「私」の目的?それとも、「相手」の目的?正解は両者の目的です。主語は「We」にしなきゃいけないんですね。仮にうまく話が進んでいったとしても、その商談の先にある両者の目的が一致しなかったら、どこかで衝突するんです。

そもそもは自社(自分)の目的があったうえで交渉に来ているわけですが、それを「両者の目的に変換して伝える。ここが最大のポイントです。

単に「提携の話で来ました」ではあなたの都合を押し付けているに過ぎません。相手にとって、うまみはないわけです。そこで、私の目的である「提携の先にある相手と共通の目的」を第一に伝えます。

例えば、提携によって双方に

  • 顧客基盤の強化
  • 売上増加
  • サービス力の強化

が考えられるとします。

そこで、提携という「自分」の目的を顧客基盤の強化という「相手」の目的に置き換えて伝える。これが、相手の中で「時間を取られる面倒な話」が「自分にメリットをもたらす話に転換する瞬間です。このステップがエレベーターピッチの最大のポイントと言えます。

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