日本とアメリカのエンジニアで、これほど待遇が変わる要因は何か?

 

彼らがどのくらいの給料をもらっているかは、ネットで調べれば分かりますが、ソフトウェア・エンジニアの給料の平均が、Googleで $133,672Facebookで$152,209です(ただし、これは給料で、ストックオプションは含みません)。そのまま、日本円にすれば1,400~1,600万円です。

では、これが日本のソフトウェア・エンジニアと比べてどうなのかを知りたい人も多いと思いますが、それが簡単ではないのです。

まず第一に物価が違います。シリコンバレーの異常な物価を考慮すれば、(東京で言えば)1,000万から1,200万円ぐらいと考えた方が良いと思います。

しかし、その違いよりももっと大きな違いは、産業構造です。日本のソフトウェアは、ゲームやネット企業を除けば、ゼネコン方式で作られており、(米国であったらGoogleやFacebookでソフトウェアを書いていたような)理系の大学や大学院を出た人は、マネージメントだけをして、実際のプログラミングは、下請けの(理系の大学を出ていない)派遣エンジニアがしているのです。

そんな派遣エンジニアたちは、高々月100万円ぐらいの人月工数で派遣されるため、50%を派遣業者にピンハネされると計算すれば、年収は良くて600万円だし労働環境は過酷なのです。

30代前半(30~35歳)・ソフト系の平均年収は525万円」という記事がありますが、平均を押し下げているのは、そんな派遣エンジニアたちなのです。

つまり、あえてステレオタイプ化して書けば、同じ30才のエンジニアでも

シリコンバレーのエンジニア

  • 学歴:Stanford大学、コンピュータ・サイエンスの修士号
  • 年収:$140,000
  • 住宅:$1.3millionの持ち家
  • 資産:ストックオプションの含み益$2million
  • 通勤:Tシャツに短パンで自動車通勤(Tesla Model 3)
  • 労働時間:普段は7~8時間、気分が乗れば14時間
  • プログラミング:三度の飯よりも好き

日本の派遣エンジニア

  • 学歴:プログラミングの専門学校
  • 年収:450万円
  • 住宅:親と同居
  • 資産:特になし
  • 通勤着:背広で電車通勤
  • 労働時間:月の平均残業時間が100時間
  • プログラミング:好きではないが、仕事なので仕方なくしている

ぐらいの違いはあるのです。

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