なんで、こうなった???
少し、この問題を復習しておきましょう。イラン核問題は、イラク問題が騒がれていた2002年頃登場しました。ちなみにイラクには、ブッシュが主張していた「大量破壊兵器」はなかった。「イランが核兵器を開発している疑惑」ついても、国際原子力機関(IAEA)は、09年時点で「いや、イランは核開発してませんよ!」と宣言していました。
イランが核開発目指している証拠ない=IAEA次期事務局長
[ウィーン 3日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥次期事務局長は3日、イランが核兵器開発能力の取得を目指していることを示す確固たる証拠はみられないとの見解を示した。ロイターに対して述べた。天野氏は、イランが核兵器開発能力を持とうとしていると確信しているかとの問いに対し「IAEAの公的文書にはいかなる証拠もみられない」と答えた。
(ロイター2009年7月4日)
イラク、イランに対するアメリカの「言いがかり」は、何なのでしょうか? いろいろ理由があります。大きな理由の一つは、当時「アメリカの石油は2016年に枯渇する」と予測されていた。それで、アメリカにとっては、資源が豊富な中東を完全支配することが最重要課題だった。
ところが、オバマの時代になると、状況が変わります。そう、「シェール革命」で、アメリカは、世界一の原油、ガス大国に浮上した。それで、オバマは、中東への関心を失いました。
中東を見ると、ロシア、イランが、シリア・アサド政権を支援している。一方、アメリカは、「反アサド」を支援している。ところが、オバマはやる気がないので、アサドは生き残り、中東におけるロシア、イランの影響力が増してしまったのです。これで、アメリカと、伝統的な中東の同盟国であるイスラエル、サウジアラビアとの関係が、決定的に悪化しました。しかし、オバマは、気にしない。
2015年7月、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは、いわゆる「イラン核合意」に達します。2016年1月、IAEAが、「イランは合意を守っている」と宣言。これで、イラン制裁は、解除されていきました。
ところが2017年1月、娘、娘婿、孫は「ユダヤ人」「ユダヤ教徒」、イスラエル・ネタニヤフ首相の親友トランプが大統領になった。彼は、2018年5月、「イラン核合意からの離脱」を宣言。
「対イラン制裁を復活させる!」
「イラン原油が輸出できないようにする!」
「世界の国々は、イラン原油の輸入をやめよ!」
と号令しました。