笛吹けど踊るは日本だけ?トランプのイラン制裁に欧州はどう動く

 

今後注目すべき点は?

これから注目すべき点について考えてみましょう。トランプは、「世界の国々よ、イラン原油の輸入をやめよ!」と要求している。ところが、この「イラン核合意」。アメリカ以外の参加国、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは、「維持」を宣言しているのです。さらに重要なことに、IAEAは、「イランは合意内容を守っていて、何の問題もない」としている。つまり、この件では、明らかにトランプが孤立している。

トランプの要求に日本は従う方向です。しかし、中国ロシアは、おそらく完全無視でしょう。問題は欧州の動向です。欧州の国々は、アメリカからの嫌がらせを恐れて、「イラン原油輸入禁止」に踏み切るのでしょうか? それとも、「シカト」するのでしょうか? もし「シカト」すると、アメリカの権威は大いに失墜します。この辺が、もっとも注目されるべき点ですね。

もう一つ。もしアメリカ―イラン戦争になれば、イラク戦争時同様国連安保理の「お墨付き」は得られないでしょう。アメリカは、再び国際法違反の戦争をすることになる。そうなると、イラク戦争の時同様、アメリカの没落が加速することになります。

image by: Evan El-Amin / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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