コト消費を演出する企業~ヨドバシカメラ
コト消費マーチャンダイジングは、何も大規模な投資などを伴うやり方のみではなくて、ちょっとした工夫なんかでもできる、ということが、ヨドバシカメラでやられている。
日経MJ11月11日号によると、ヨドバシカメラでは、必要以上に詳しすぎるような内容がPOPに書いてあったりするそうで、洗濯機を買いに来た男性によると、商品の説明がわかりやすいので、ヨドバシカメラを利用しているということだ。ということは、十分差別化できる要因になっている。
また、面白いのは、詳しすぎる説明の度がすごいことだ。例えば、東京ドームなどでコンサートが開催されるときに、アリーナ席など、客席ごとにどの程度の倍率の商品が、一番いいのかを、事細かに説明して販売しているとのことだ。ここまで行くと、もう商品説明の域を超えている。
これに加えて、接客の水準が高く、また商売の商品の見せ方がうまいなどという評価が高いとのことだ。
やはり顧客接点でしっかりとしたことをやっていることが、非常に目立っている。
コト消費というのは何も、イベントをやったりとか、大掛かりな店舗の改装だけではない。お客様が来店したときに、お客様たちの目線で楽しめるかどうかが、その分かれ道になる。
コト消費の浸透の背景に何があるのか?
では、コト消費マーチャンダイジングを企業が進めている背景に、どのような環境の変化があるのだろうか。
このような消費活動の変化は、まずは、Instagramなど自分で投稿できる、SNSなどで、作品として自分の消費行動を見せるひとたちが増えたことが挙げられる。
この行動の変化によって、楽しみ方が、モノ単体を購入し所有するという価値から、コト、すなわちモノを買う時の体験価値へと変わっていることが、その要因と言えるだろう。
「これを買った」「高くていいでしょ」という嗜好から、「こんなことをした」「楽しかった」ということを、「拡散したい」「発信したい」と、消費者の嗜好が変化したのである。