大国に囲まれた悲劇。なぜ韓国はすり寄る相手を次々と変えるのか

 

韓国とウクライナ

大国に囲まれた小国が考えることは、一つ。「どの大国にひっつくのがお得かな?」。そして、ある大国にひっつこうとするとき、別の大国の悪口を激しくいう特徴があります。韓国に似た国はあるのでしょうか?

たとえば、ウクライナ。冷戦時代、アメリカとソ連の最前線は、ドイツでした。それで、アメリカの西ドイツ、ソ連の東ドイツに分断されていた。冷戦終結後、最前線は、徐々に東に移動していきました。今では、かつてソ連の一部だったウクライナが米ロ対立の最前線になっています。

アメリカは、ウクライナをNATOに入れて、ロシアの国境に迫りたい。一方、ロシアは、「緩衝国家」ウクライナをアメリカにわたすわけにいかない。

2014年2月、ウクライナで革命が起こった。親ロシア・ヤヌコビッチは追いだされ、反ロシア、親米政権ができた。新政権は、「クリミアからロシア黒海艦隊を追いだし、NATO軍を入れる!」などといっている。

ロシアは、「緩衝国家ウクライナ消滅を許すことができずクリミアを併合した。さらに、「ウクライナの半分は残そう」と東部ドネツクルガンスクを支援し事実上の独立状態に導いた。

ウクライナ新政権ですが、ロシアに対するふるまいは日本に対する韓国のそれと非常によく似ています。もちろん、ウクライナには「クリミアを取られた」という非常に重い理由がありますが。

これらの話、私たち日本人には、非常にわかりにくい。しかし、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、ウクライナなどの人にとって、この「地政学的感覚」は自然なものです。「海という緩衝地帯」に囲まれた日本は、「とてもラッキーだ」というべきでしょう。

image by: Shutterstock.com

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print
いま読まれてます

  • 大国に囲まれた悲劇。なぜ韓国はすり寄る相手を次々と変えるのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け