大国に囲まれた悲劇。なぜ韓国はすり寄る相手を次々と変えるのか

 

韓国は、米中の間を揺れ動く

日本との友好強化と米国との同盟強化が韓国が生き延びていくための鍵と思うのですが、与野党ひっくるめての反日姿勢は、中国の工作があるとはいえ、自国の利益をまともに考えられないのか不思議です。
(Yさまのメールから)

日本アメリカとの同盟強化が韓国が生き延びていくための鍵」とあります。これは、「その通り」だと思いますが、「すべての人がそう考えているか」というともちろん違います。

08年にリーマンショックが起こり、「アメリカ一極世界が崩壊した。アメリカは、大いに沈みましたが、中国は沈みませんでした。それで、「アメリカの時代は終わったこれからは中国の時代だ!とカン違いした人がたくさんいたのです。

日本も例外ではありません。09年、反米親中の鳩山内閣が誕生しています。小沢さんは北京に行き、「私は人民解放軍の野戦軍司令官であ~~~る!!!」と世界に宣言した。

幸い日本は短期間で、「中国が覇権国家になる幻想」から目覚めました。しかし、韓国は目覚めなかった。その後の流れを見ると、2012年、李大統領は、竹島に行き、「日王が韓国に来たければ謝罪しろ!」といって全日本国民を激怒させました。同年11月、中国は、韓国に「反日統一共同戦線への参加」を提案。「次の覇権国家は中国だ」と信じる韓国は、喜々としてこれに参加したのです。2013年2月、大統領になった朴槿恵は、「告げ口外交」を展開。中国の「反日プロパガンダ部長」として、大いに活躍しました。ところが、北朝鮮情勢が不穏になってきた。どうも中国は、韓国を守ってくれそうにない。それで、2015年末にはアメリカの方に多少戻り、12月の「慰安婦合意」となった。

こう見ると、韓国は米中の間をフラフラしていることがわかります。いえ、実をいうと、日本もフラフラしているのです。世界もフラフラしています。イギリスやドイツですら、米中の間をフラフラしているのです。なぜフラフラするのか? それぞれの国のリーダーたちが、自問する。

  • アメリカは、覇権を維持するかな? それとも中国が覇権国家になるのかな?
  • アメリカとつきあうのと、中国とつきあうのと、どっちが「お得」かな?

この質問への回答が、人によって違うのですね。私たちは韓国の話しをしていますが、実をいうと世界中の国々がいま迷っているのです。

韓国の悲劇

「それにしても、韓国フラフラしすぎ!」と思うでしょうか? これは、韓国の「位置」の問題だろうと思います。

韓国は、いってみれば、「大国に囲まれた小国」です。それで、どの大国も、韓国のことを「別の大国の侵略を食い止めてくれる緩衝国家』」と見なします。日本もかつて、「韓半島は、ロシアの南下を防ぐ緩衝地帯」と考えていた。

今、中国とロシアは、「北朝鮮はアメリカの侵略をとめてくれる『緩衝国家』だ!」と考えている。それで、金正恩をこっそり守っています。

当然、中ロは北朝鮮を中心に韓半島を統一しよう」と考え、アメリカは韓国を中心に統一しよう」と考える。それで、韓国内では米中ロの工作が激しくなり、フラフラするのです。

print
いま読まれてます

  • 大国に囲まれた悲劇。なぜ韓国はすり寄る相手を次々と変えるのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け