瀕死の中国。米中貿易戦争で「世界の工場」から各国が逃げ出す訳

 

「核時代」の戦争形態

これは、何でしょうか? RPEではいつも、「戦争とは武器を使う戦闘行為だけではない」という話をしています。

  • 情報戦
    これは、メディアを使って、敵国を「悪魔化」させるために行われます。たとえば、「慰安婦プロパガンダ」。これ、皆さん韓国に憤っているでしょうが、背後に中国がいるのです。
  • 外交戦
    外交力を使って、敵国を孤立させます。たとえば、中国は、朴槿恵を使い「告げ口外交」をさせ、日本孤立化を目指していました。
  • 経済戦
    尖閣中国漁船衝突事件が起こったとき、中国は日本へのレアアース輸出を禁止しました。あるいは、日欧米は、ロシアに経済制裁を科しています。

そして、必要があれば、私たちが「戦争」とよぶ「戦闘行為」が行われる。これは、普通、広義の戦争の「最終段階」で行われます(とはいえ、大国の「代理戦争」はわりとしばしば起こります。たとえば、ウクライナ内戦は、親米ポロシェンコ政権と、ロシアが支援する東部親ロシア派の代理戦争。シリア内戦は、ロシア、イランが支援するアサドと、欧米、サウジ、トルコなどが支援する「反アサド」の代理戦争)。

問題は、アメリカも中国も核兵器を大量に保有している」こと。戦争が、エスカレートすれば米中共に消滅することになりかねない。それだけでなく、地球そのものが破壊しつくされ、「人の住めない星」になる可能性がある。

というわけで、「大国間の大戦争大戦闘)」は起こりづらくなっているのです。メインは、「経済戦争に移行しています。たとえば、ロシアは、ウクライナでルガンスク、ドネツクを事実上の独立状態にすることができた。また、ロシアが支援するアサド政権は、欧米が支援する反アサド派を駆逐し、ほぼ全土を掌握しつつあります。そう、軍事的にロシアは、ウクライナでもシリアでも勝っている。

ところがアメリカは、「ロシアと戦闘しようとは考えない。どうするかというと、「経済制裁を強化しようと考え実行するのです。それで、ロシア経済はボロボロになってしまった。

そう、これが今の「戦争形態」なのです。メインは、「戦闘行為」ではなく、「経済制裁」になっている。

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