覇権争奪戦としての貿易戦争
では、トランプの貿易戦争は、中国にどんな影響を与えているのでしょうか? 夕刊フジ9月20日付「日本企業、中国から総撤退も 米中貿易戦争激化で外資系が生産拠点切り替えか」を見てみましょう。この貿易戦争で、中国に勝ち目はないそうです。なぜ?
中国側の打つ手は限られている。
米国の中国からの輸入額は5,000億ドル強にのぼるが、逆に中国の米国からの輸入額は約1,300億ドルにとどまり、全ての米製品を報復対象にしても、金額面で同等の制裁を加えることは不可能だ。
アメリカは、中国から年間5,000億ドル輸入している。だから、5,000億ドル分に関税をかけ、中国経済に打撃を与えることができる。いっぽう、中国は、アメリカから1,300億ドルしか輸入していない。だからどうがんばっても1,300億分にしか関税をかけられない。だから、「アメリカが貿易戦争に勝利する」と。
そして、米中貿易戦争に危機感を感じている日系企業が中国から逃げ出していると、夕刊フジは報じています。
米国の対中追加関税第1弾と第2弾を受け、三菱電機は8月に、中国で生産し米国に輸出していた工作機械の生産を国内に移した。コマツは建設機械の部品生産の一部を中国から日本やメキシコに振り分けている。ダイキン工業は米国で製造する空調機の一部部品を中国から賄っているが、調達先の変更などを検討中だ。東芝機械も10月に自動車向け部品などを製造する射出成型機の生産の一部を上海工場からタイと国内の本社工場に移す計画だ。ユニクロを展開するファーストリテイリングも、米国への供給をベトナムなど中国以外の拠点に切り替えることを検討している。(同上)
誰もが知っている大企業が中国から逃げ出している。これが「米中貿易戦争」の結果ですね。この記事は、石平さんの、こんな言葉で終わっています。
トランプ氏の罠にはまってしまった習氏は日本企業を頼ったり、ロシアと経済一体化を進めるなどの対策を取らざるを得ないだろう。いずれにせよ、中国経済は『終わりの始まり』を迎えた
中国経済は「終わりの始まり」を迎えたそうです。RPEでは、13年前から、「中国経済は、2020年まで」と書いてきましたが、ホントにそんな感じになってきました。
「中国経済は終わりの始まりを迎えた」
安倍総理も、この言葉をよく記憶していただき、中国への接近しすぎにお気をつけください。
2次大戦。日本の敗因はいろいろあります。しかし、大きな失敗は、「負ける国を同盟国に選んでしまったこと」でしょう。日本は今、「勝つ側と同盟国」なので、このまま進めばいい。そして、トランプさんとの関係悪化は、なんとしても回避していただきたいと思います(シェールガス、攻撃型兵器の輸入を増やし、アメリカの対日貿易赤字を減らしましょう)。
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