次こそ大暴落。トランプは株価下落が米景気への警告と気づくのか

 

金利上昇で新興国景気は

米国債が3.25%以上になると、企業経営や個人の借金に重しになり、投資ができなくなる。個人では自動車や住宅を買えないことで、景気を冷やす。企業は、この金利を負担できる投資案件があれば問題がないが、もし現在の事業でも3.25%の金利負担ができないと、倒産になる。この原因かどうかわからないが、小売り大手のシアーズも倒産したようである。

この上に米金利上昇でドル高になり、二重の重しを載せられた状態の新興国企業はドル建ての借金が多く、3%金利でドル高の借金返済ができずに倒産が増加している。このため、景気後退が鮮明になって、中国など新興国の株価は軒並み下落している。

これにより、新興国経済の下降で、穏健な政策では対応できないで、新興国の政治に、極左極右の政治家が出て、極端な政策を打ち出している。しかし、外資企業への法人税を増額すると企業は、その国を逃げるので、益々財政がひっ迫することになる。

そして、先進国でも、中間層が没落して、その中間層の不満を背景にトランプ大統領が出て、関税を上げて新興国に行った工場の奪還を目指すことになる。ドイツ企業は、工場を中国から本国にシフトさせているが、工場の無人化により、中国の労働者よりロボットの方がコストが安いためという。米国への輸出ができない中国生産のメリットがなくなってきている

ということで、新興国での生産見直しが今後出てくることになり、二重の意味で新興国は大変なことになりそうである。

中国の操作国認定で

今回の下落は、パニック的な暴落ではなく単なる調整であったようだ。しかし、債券への逃避があまり起こっていない。米国債の金利が3%以下になっていない。今回の下落でFRBは、12月に予定している利上げを見送る可能性もあり、米国の景気が維持されている限り、今後しばらくは、パニック的な暴落にはならない。

しかし、今後、10月下旬には財務省の報告書で中国を通貨操作国と認定する政策を取ると、米国ではなくアジアや日本の景気を冷やすことになる。中国の株価は暴落していて、その暴落がどこまで行くかの局面であるが、日本の株価は上昇して6年ぶりの高水準にあったが、その日本の株価も、もう一段の下落の可能性が出る。

11月には米中首脳会談が行われるようであり、そこで両首脳間で手打ちができる可能性もあると期待したいが、どうであろうか?今回の下落をトランプ大統領が、米国景気への警告と感じてくれれば良いと思っている。

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