米国の将来見通し
しかし、米国の将来は暗い。シリコンバレーに新しい革新的なベンチャーがでない。イノベーションの速度を上げるには、インドなどの海外の優秀な頭脳を引き入れて、加速させないといけないが、米国は、技術者の入国を制限し始めている。国内の技術者を雇用しろということのようである。
しかも、FANG以外の米国企業は高配当や自社株買いで株価を上げてきたが、内部の資金がないことで、研究開発費を日本や中国に頼り始めている。このため、ベンチャー企業の技術が流出して、AIやITでも中国に負けそうになり慌て、中国からに資金を切るようだ。このため、IOTやAI技術の発展も米国からは今後、出てこないかもしれない。
もう1つが、石油と石炭の使用を促進させて、再生可能エネルギーへの転換をしないようである。トランプ大統領の既存産業と米国民を過度に保護する米国の未来には希望がない。
また、米国が中国への技術流出を問題にしているが、IT企業以外の米国企業が中国技術者に積極的に教えたことで流出した。米国企業が、中国に工場を作ったことと、その上、中国現地企業を共産党党員の中国人経営者に任せているので、そうなるに決まっている。やっと、気が付いて、工場を米国に戻すようである。
このように、米国企業は、コストを下げるために中国に工場を建て技術を流出させ、その上に資金を借りて自社株買いの無理な株価上昇をしてきたが、このようことは、量的緩和時だけできることだ。今後、企業存続という意味で危険な感じがする。金利上昇局面ではこのようなことはできなくなる。
今度、金利上昇と景気の減速が確認できた時点で、内部留保もなくて、企業の持続性に問題が出て、米国の株価は大暴落になる可能性がある。まだ、今回は暴落ではなかったが、今後、景気減速が確認できた時点で、もう一段の下げを警戒した方が良い。
日本の対応
その点、日本は人口減少であり、積極的に優秀な技術者を入れて、東京を英語でも日常生活ができる空間にして、世界のベンチャー企業に開放して、その上に自由な情報交流ができる場を作ることであるが、メルカリは、新卒者の8割をインド系など外人技術者にしているというが、この方向が正しいように思う。多くの企業はその方向に行くようだ。
今後、5G通信でデータ転送速度が速まり、フィンテック、IOTやAI、ロボット、自動運転技術などの高知能化が進み、通信でセンタにデータを送り、世界的に一体化したサービスが出てくる。このビジネス獲得競争が始まる。出遅れた日本企業にもチャンスが出てくる。
日本企業は、内部留保が厚く大量の資金を持ち、米企業の存続が問題になると、安く技術を持つ米企業を買収できることになる。
さあ、どうなりますか?
image by: shutterstock