では、さらにレベルが上がると、どんなことをすべきなのかが気になりますよね。それは、「次の行動を提示」することです。ただダメを出すわけではなくて、
「次にこれをやれば良くなるよ」
「こういうやり方にすれば良くなるよ」
ということを伝えられるかどうかということですね。
何度も言うように、粗を探してダメを出すのは、少し経験をしている人なら、誰でも簡単にできます。しかし、その粗を見つけて、次にどんなことをすれば改善できるかまでを提示できる人は多くありません。なぜなら、ある程度の知識や経験を持っていないと、正解に近しい道筋がわからず、提示のしようがないからなんですね。
でも、逆を言えば、それができるということは、相応のレベルにあるとも言えます。同じ仕事でも、真剣に取り組んできた人は、「どうすればもっと良くなるか」を考え続けています。今できないことでも、次にどんな行動をとればうまくいくかを常に探し続けているわけです。すると、自然と他の人の粗を見つけても、どんなことをすれば良いかが何となくわかるようになってきます。それを伝えることで、相手は次にやるべき行動が手に取るようにわかるため、成長のスピードがグンと上がります。だから、レベルの高い人の元では、人が育ちますし、次から次に頭角を表す人が出てくるのです。
そして、さらにレベルが上がってくると、自分で考えるべきことは自分で考えさせるようなやり方もできるようになってきます。それはまた、別のお話ですが。
ただ、他人の粗を見つけては、ダメを出して、満足してはいないでしょうか? そんなことは、実は誰にでもできることで、決して人を成長させられる行動ではありません。他人の粗を見つけたら、どんなことを伝えるか?ぜひ考えてみてください。
今日の質問です。
- ダメを出すのが簡単で、次の行動を提示するのが難しい理由は何ですか?
- 粗を見つけたら、次の行動を提示できるようにするためには、日頃からどんな意識が必要ですか?
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