元小学校長が持論「自分を愛すること」がいじめ予防になる理由

 

子どもとの出会いの中で、私は、「信じること」は「愛すること」と同じだと子どもたちに教えてもらいました。「信じること」を突き詰めていけば、それは、子どもを愛することに近づいていきます。みなさん、生まれたばかりの赤ちゃんはとてもかわいいでしょう。生まれたばかりの赤ちゃんを無条件に人は愛しいと思います。子どもを無条件に愛することは、子どもを信じることと同じです。

厳しく叱る時こそ、心を込めてその子どもの存在を大切に思って、叱る。間違いを正すために、その行動は厳しく叱るけれどもその子どもの存在は深く愛する。叱った後には、必ず、私の愛をその子に伝える。「愛すること」は「信じること」、そんな愛ある一日一日を送ることができて、幸せだったと思っています。

子どもに愛を与えているつもりが、実は私が子どもたちから愛をもらっていたこと、不思議ですね。それは同時に、自分自身を愛することができるようになることだったと、感じています。ただただ、子どもたちとの出会いに感謝です。

一人の子どもを育てていくときに、その子を信じるということは、その子どもの良いところも悪いところも全部丸ごと愛するということと同じです。「愛されている」「信じてもらえている」と子どもが感じた時、子どもの心は落ち着いて、自分の理想に向かって、一歩を踏み出せます。本来の自分を取り戻すことができます。「愛されていると感じた時から自分を愛し始めるのではないかと思います。テストで100点を取ると、自分はこの教科は得意だと自信ができます。その時と似ています。

しかし、はっきりと違うのは、テストは評価ですから、良い点をとったときは自信が持てるが、悪いときは、自信を失い、自分を好きでなくなることもあります。「愛」は、評価と違い、良いところも悪いところも丸ごとその人の存在を認めること理解することなのです。人は誰かに愛されることで、自分を愛するようになるのでしょうね。

だから、「愛から始まる教育」を、あなたの出会う子どもたちにしていただけませんか。一人の人生の先輩として、出会った子どもたちに愛を与えてみませんか。それがシンプルな教育の始まり。あなたの愛が子どもを豊かにし、明るい未来を築く子どもに育てます。例えば、子どもの落とし物を拾ってあげること、子どもを抱き上げてあげること、トイレの手伝いや着替えの手伝いをしてあげること、眠る時にそばにいてあげること、そんな「愛」が世界中にあふれています。

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