【書評】中韓が捏造した歴史をマスコミが喜んで受け入れる理由

 

NHKの歴史番組関係者は、企画に都合のいい証言者を仕立て第一次資料などを切り貼りし反証を無視しトンデモ捏造をする。2016年6月8日の「決断なき原爆投下」は、トルーマンと軍部の間に確執があり、大統領が「軍事目標に限定し、女性や子供に向けて使用しないように」と命令したにもかかわらず、軍部が広島・長崎を軍事目標と偽り原爆を投下した、という途方もない内容。

NHKは2001年7月25日の「原爆投下トルーマンの決断」で、トルーマンの原爆投下のプロセスを新資料を織り交ぜ明らかにしていた。NHKは正反対の内容の番組を放映するのに、一言の説明もない。「決断なき原爆投下」は、資料としては最も危険な個人的記録と証言により構成されていた。それはグローヴス少将の証言とトルーマンの日記で、原爆投下はこの二人が議論していたかのように誘導する

原爆はケベック協定のもと、イギリス、カナダ、アメリカが共同開発したものであって、アメリカの単独開発ではない。これは原爆関係に触れるときに、絶対押さえておかなければならない基本知識である。この協定の存在はNHK番組にとって都合の悪い反証となる。アメリカはイギリス・カナダの同意なしに日本に原爆を使用することはできないのだ。だからNHKはこれを無視した。

さらにNHKは、原爆投下に重要な決定を下したアメリカ側の暫定委員会すら無視した。この委員会が原爆投下を決定していくプロセスを時系列で示した資料群は、ハリー・S・トルーマン大統領図書館にあり、その電子テキストはネット公開されている。世界中の無数の人がこれらを読んで内容を知っている。

番組ではトルーマンは原爆について何も知らなかったので、グローヴスの助言に頼ったという。グローヴスは原爆開発の現場責任者ではあるが、原爆開発全体の責任者であるスティムソン長官に、逐一判断を仰ぐ一軍人に過ぎない。彼の言うことは、戦後の核開発から完全に締め出された負け惜しみの自己礼賛に過ぎない

トルーマンの日記を引用しているが、それはすべて後世の人々に非難されることを想定して、自己欺瞞と責任逃れのために書かれたものであり、資料としては使えないことは周知の事実である。NHKは資料として最も危ない個人証言を、都合のいいところだけ使う。そうしないとトンデモ企画の無理は通らないのだ。NHKの歴史番組の捏造は構造的なものである。……初めて聞く真実だ。

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