日本の無条件降伏は、現在の中国とは無関係だ。中国は戦勝国ではない。中国を代表して連合軍に加わっていたのは国民党であり、共産党ではないことは歴史的事実である。カイロ会談に呼ばれたのは蒋介石だが、2015年の中国映画「カイロ宣言」では毛沢東が会議に出ていた(笑)。今の共産党は人民の支持を得ているのか。著者の知る限りみなノーである。インテリほど党を軽蔑している。
韓国は「日本に宣戦布告して連合国の一員として戦った戦勝国である」と、中国以上の大ボラをふく。ダレスは李承晩が「署名国としてサンフランシスコ講和会議に出席したい」と要求した時、「韓国は日本と戦争状態にあったことはなく、連合国共同声明にも署名していない」として拒否する。連合国として日本軍と戦ったというに値する実績が韓国にはない、資格がないということだ。
日本が戦争加害者なら、その当時日本国民であった朝鮮半島出身者も加害者である。この事実は極東国際軍事裁判で明確に示された。日本が敗戦国なら韓国人も敗戦国民である。もし朝鮮人慰安婦が「被害者」で、日本軍が「加害者」だとするなら、現在の韓国人も「加害者」である。いま韓国が日本に突きつけている「慰安婦問題」は、韓国自身にも突きつけられるのが理論的帰結である。
中韓の、とくに戦争を知らない若者たちは、自分たちが教えられている歴史が虚構であることに気づいているか。外国にいたことのない人は気づいていない。留学などの経験があり、現に外国で働いている人々は気づいている。気づいていても認めない。メリットがないからだ。歴史的事実は普遍的なものである。いずれ誰もが気づくときが来るのだろうか。来ないかもしれない。
編集長 柴田忠男
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