日本もやられ放題。台湾の選挙にも介入し妨害する中国の「姑息」

 

以前の中国は、台湾の周辺海域で軍事演習という名目で実弾による演習をしたりして、軍事というわかりやすい形で台湾を脅していました。しかし、昨今はフェイクニュースの流布や観光客の台湾渡航禁止など、あらゆる方面からより陰湿な手段で台湾いじめを展開しています。

中国に居住する台湾人に対して、中国人と同等の待遇を与える居住証の発行を開始したのも、選挙妨害のひとつではないかと台湾メディアはみています。ビジネスで中台を往復している台湾人は多く、台湾と中国の両方に居住しているケースも多くあります。

そうした台湾人に「居住証」を発行し優遇するという甘い言葉で囲い込み、選挙に行かせない、あるいは選挙で国民党に投票させるといった根回しです。台湾の大陸委員会の陳主任委員は、この事実について以下のようにコメントし、やんわりと中国から引き揚げたらどうかと提案しています。

居住証を取得した人の台湾の戸籍を即座に取り消すことはないと改めて約束し、取得者に対しては、政府に知らせるよう呼び掛けた。

 

陳氏は、米中貿易戦争が激化していることに触れ、台湾企業にとって中国大陸での発展の先行きが不透明になっているとし、「現在はまさに台湾企業が投資先を考え直す重要な時期」と語った。

中国大陸が台湾人居住者に「居住証」発行 北京への監視強化へ=大陸委

ほかにも、中国側が暴力団を使って何かしらを画策したり、支援者や候補者を航空券代を負担するという形で中国に招待したりといった事実が明るみになっているようです。

11月末の統一地方選「中国の介入防止を徹底」=頼行政院長/台湾

中国のこうした卑劣な選挙妨害の証拠をつかむことはなかなか難しいですが、台湾人は甘い誘惑やフェイクニュースなどに惑わされず、誇りをもって台湾の民主主義を死守して下さい。そして、間違っても中国の妨害工作によって死者が出るような事態が起こらないよう祈るばかりです。

「選挙」という言葉は、約2,000年以上も前に出てくる「漢字語」です。そのため、学者の中にはこの言葉が出てくる2,000年前の漢の時代からすでに中国には民主主義制度があったと説く人がいます。

しかし2,000の「選挙」の言葉の概念は今とは全く違うものでした。もともとの意味は、民衆の選挙ではなく、地方で「名声」を得ている賢人と有能な人々を、政府が選出して登用するという意味でした。

名声ある地方の賢人は、「親孝行」で名を売る豪族の指定に限りました。「選挙」という漢字は同じでも、意味は全く逆でした。「漢字」の性格としては、保守性と虚飾性を持つもので、「選挙」の意味も同様です。今の中華人民共和国でさえ、民意を問うシステムは今だに確立していません。ちなみに「人民」は和製漢語です。

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