大塚T 「どんな対策なの?」
新米 「値段の付け方ですね。たとえば、同じ生ビール1杯の値段を3段階にしているんです」
E子 「そうそう、あの話は面白かったわね。『おい!生ビール』は1杯1,000円。『生一つ お願い』は1杯500円『すみません、生一つください』は380円という生ビールの頼み方に応じて変わる値段が書いた紙が貼られているのよね」
新米 「そうそう、それです!ナイス!考え方、ユニークだなぁって思いました。その下にはさらに『お客様は神様ではありません。また、当店のスタッフはお客様の奴隷ではありません』とも書かれているんです」
大塚T 「へぇ~、面白い貼り紙ね。全部のメニューがそんな風に3段階になってるの?」
新米 「いえいえ、そんなことはないです。生ビールだけだと思います」
E子 「5万人以上に行った産業別労働組合の『UAゼンセン』のアンケートでは『悪質クレームの被害に遭ったことがある』と回答する人が70%以上、さらにその1%に当たる359人が精神疾患を発症したことが分かったそうよ。そういったことから『お客様は神様』と不必要に持ち上げる必要はなく、従業員と客は『平等な関係』であると伝えたいということからの発想なんだそうよ」
大塚T 「そういうことへの提唱なんですね」
E子 「発案したのはその会社の副社長さんで、以前にネットで話題になった『注文マナーによって値段が変わるフランスのカフェ』を、冗談を交えてオマージュしたものなんだって」
大塚T 「貼り紙を見た人の反応が気になりますね」
新米 「『面白いね』とコメントしたり、写真を撮ったりする人があったりはあるけど、今のところ明らかに気分を害した、クレームが入ったなどの報告はないそうですよ。『これ好き』とツイッターで投稿されて、話題になったみたいです。『最高の店主』『店員を大事にしてる』『行ってみたい』など、大きな反響になったそうですよ」
大塚T 「反対意見はないのかしら?」
E子 「一部には『こういう店には行きたくない』といった否定的な意見や、こういった貼り紙をしなければならない現状を嘆くコメントもあるようね。飲食関係者からは『うちでもやりたい』『このお店の気持ちが分かる』という声も上がっているらしいわ」