MAG2 NEWS MENU

なぜ、販売員が次々変わるお店はちっとも売上が上がらないのか?

売上げをなかなかあげることができないスタッフがいる場合、経営者や上司として最初に何を改善すれば良いのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、「販売員各々は貴重な戦力」と認識し一緒に問題点を探ったり、具体的な売上げ目標を提示すること等が店舗全体の活性化に繋がることを解説しています。

販売目標が達成できない販売スタッフ

会社の先輩から、「営業マンはつぶしがきかない」と言われたものです。特に優れた資格や専門技術があるわけではないので職を変えても苦労をするという意味のようでした。

実は、これは逆に言えば、営業マンはその会社にとってなくてはならない存在だということです。これは、お店にとっても同じことです。

販売スタッフがお店にとって重要な戦力であるのは言うまでもありません。そして、それぞれの販売スタッフは、他の人にとって代わることはできません。つまり、かけがえの無い存在です。

どの販売スタッフも、お店の歴史を背負っていますし、お店の文化にも通じています。ですから、今の販売スタッフを大切にするのは経営者の役目です。

そして、次のようなことからも、かけがえの無い存在だと言えるでしょう。

例えば、違った業種のお店で販売をしていた人があなたのお店に移ってきたとします。すぐにスポーツショップの販売スタッフとして力を発揮できることはありません。接客技術が優れていたとしても、商品知識を身につけるにはそれ相当の時間を要するからです。

また、今までの販売スタッフと比べると、圧倒的にお客様の情報に疎いです。販売スタッフとして力を発揮するには時間がかかります

同じ業界から移ってきた販売スタッフも同じことです。例えば、大手のスポーツショップで販売を担当していた人が入ってきたとします。そこでの経験はあなたのお店の運営方法や考え方とは違っていますからお店に適応するには時間が必要です。また、この場合も当然それまでのお客様とは違っていますから、すぐには同じような力を発揮することはできません

つまり、このようなことから、今お店にいる販売スタッフは、かけがえのない戦力だといえるのです。ですから、新しい販売スタッフを雇うのも良いですが、今の販売員の能力をさらに伸ばすことを考えなければいけません。

もちろん、中にはなかなか意にそぐわない販売スタッフもいることでしょう。それでも、決してその販売スタッフをおろそかにしてはいけません。ましてや、辞めさせるようなことがあってはいけません。かけがえのない戦力なのですから。

大きな問題

そして、その大切な戦力をより成長させることが、経営者の仕事ではないでしょうか。もっとも、全員の販売スタッフが同じように育っていくわけではありません。それでも、全員が成長できるように手を尽くすことです。

では、販売スタッフは、どのような力を身につければ成長するのでしょう。当然、接客力の向上が一番です。そのためには、対話能力や対人能力が求められます。持って生まれた性格もありますが、これは「量稽古」です。

とはいえ、商品知識や市場情報が接客力の助けになりますので、普段から販売スタッフには情報を提供しておきましょう。販売スタッフには、接客技術の他にも、陳列技術、広告宣伝力、商品管理力、IT活用力も必要です。これらについては、あなたのお店でも、しっかりと教育を施しています。心配はないでしょう。

ただし、一つ大きな問題があります。それは、販売目標達成力です。接客力もあって、お客様から慕われてもいるのに、なぜか毎月販売目標が達成できないスタッフがいます。どうしてなのでしょう。

それは、本人の能力の問題ではなく、単に「意識の問題です。つまり、販売目標数字を意識していないことに問題があります。試しに、その販売スタッフに尋ねてみてください。

「今月のあなたの担当部署の販売目標はいくらですか?」

こんな簡単な質問にも、きっと答えられません。仮に答えられたとします。

「では、担当部署の年間の販売目標はいくらですか。そして、今月までに合計でいくら販売していますか?」

と聞いてみてください。しっかりと把握していないことでしょう。さらに、

「全店の今月の販売目標と年間の販売目標はいくらですか?」

と続けていけば、まったく数字が頭に入っていいないことに気が付くかもしれません。実は、目標が達成できないのは、ここに問題があります。

目標を達成する

いえ、言い換えれば、ここだけの問題です。そこで、お尋ねします。あなたは、販売スタッフに対して目標数値を確認しているでしょうか。確認をしていなければ、目標が達成できない責任はあなたにあります。

この販売スタッフは、決して能力が低いわけではありません。接客技術も商品知識も十分にあります。それなのに販売目標が達成できないはずがありません。本当の原因は経営者のあなたの中にあるのではないでしょうか。あなた自身が目標達成意欲を強く持っていないのではないかと思うのです。

もしかしたら、数字のことをやかましく言うとスタッフに嫌がられると思っているのかもしれません。決してそんなことはありません。目標数値が達成できないのは、目標を達成することの大切さがしっかりと伝わっていないからです。

また、目標を達成する方法をうまく引き出していないからです。目標を達成せよと指示するだけではいけません。目標が達成できていない具体的な原因をスタッフと一緒に探すことです。例えば「昨年は売れていたデザインのウエアが今年は売れていない」とか「○○ブランドのキャンペーンの効果が出ていない」とか。

その原因が分かれば、販売スタッフと一緒に対策を考えます。「○○ブランドの動きが良さそうなので、商品を追加する」とか、「キャンペーンの告知がお客様に十分ではなさそうなので、特典付きDMを出して来店を促す」とか。

考えた対策がすべてうまく行くとは限りませんが、一緒に考えて実行することで目標の数字と達成度が確認できます。こうした作業を日常的に行っていけば、販売スタッフの意識も変わってくるはずです。そして、何よりもあなた自身の意識が強くなっていきます。

いずれにしても、かけがえのない販売スタッフです。目標達成にも大きな力を発揮してもらいましょう。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け