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秘仏をひと月ご開帳。亥年に猪づくしの京都・摩利支天さんを詣る

2019年の干支は亥。ということで、イノシシにゆかりのある名所に出向いてみるのはいかがでしょうか。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』で著者の英 学(はなぶさ がく)さんが紹介しているのは、祇園近くの建仁寺の塔頭である「禅居庵」。狛犬の代わりに狛猪、猪の上に座したご本尊が出迎えるという猪尽くしの「おもしろい京都スポット」ですよ。

イノシシ寺・摩利支天さん

2019年は亥年ということで京都でオススメの猪のお寺をご紹介します。祇園の近くにある建仁寺の塔頭「禅居庵」です。「摩利支天まりしてんさん」とも呼ばれるこのお寺の境内は猪であふれています。狛猪から絵馬、お守りやおみくじまで猪づくしです。

京都には動物にまつわる寺社仏閣が多くあります。私は来年歳男なのでイノシシにまつわる神社仏閣にはお参りしたいと思います。

京都御所に近い「護王神社」も猪の神社と呼ばれています。

平成最後の亥年の縁。狛猪が出迎える京都護王神社に加護を求めて

こちらも境内はイノシシで埋め尽くされたスポットとして有名です。こちらは以前ご紹介したこともあるので、今回は猪の寺といわれている禅居庵をご案内します。

祇園にほど近い建仁寺は京都最古の禅寺で、俵屋宗達筆の国宝「風神雷神図」があることでも有名ですよね。その建仁寺の広大な敷地には14もの塔頭寺院があります。禅居庵はそのうちの一つで京都の猪の寺とされています。

境内には狛犬の代わりに狛猪が4対もあります。バラエティに富んだ狛猪がお出迎えをしてくれます。口はちゃんと阿吽になっています。

境内はそれほど広くはありませんがところせましと狛猪が置かれています。禅居庵に猪が置かれている理由は本尊の摩利支天が猪を眷属けんぞくとして従えているからだそうです。眷属とは神様の使いようなもので、稲荷神と狐の関係などと同じです。

本尊の摩利支天像は秘仏で、毎年10月20日の縁日にしか公開されません。本尊は7匹の猪の上に座した姿をしています。猪は古代インドではその素早さが勇敢さを表すものとされ眷属として用いられたとも伝えられています。摩利支天は開運や勝利に導くともいわれています。摩利支天のルーツは古代インドの女神マーリーチで、太陽の炎が神格化したものと伝えられています。炎は捕まえられたり傷つけられたりすることがないので、戦国武将の間で摩利支天信仰が広がっていたそうです。

摩利支尊天堂には開運勝利を願って、受験生やスポーツ選手なども多く訪れます。厄除けのご利益もあることから地元祇園の舞妓さんや芸妓さんたちがお参りに来ることもあるようです。

本堂にはいのししの小さな像がズラリと並べられています。いろんな表情の猪をじっくりと見てみて下さい。手水舎も猪の口から水が注がれていますよ。屋根の下にも猪の彫刻があります。

禅居庵で一番のインスタ映えスポットといえば猪の像が置かれたお堂です。ここには沢山のミニ猪像がズラリ並んでいます。これは陶製の亥みくじです。自分でひいたおみくじをこちらに置いて帰るうちに大群になってしまったのでしょう。お守りも猪がモチーフのタイプがズラリ、亥年の方へのお守りとしてもオススメです。

2019年は亥年なので秘仏のご本尊が1月の1か月間ご開帳されます。新年の開運、勝運を願ってご参拝されてみてはいかがでしょうか?

京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: 京都フリー写真素材

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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