中国の軍事的突出、領土拡張主義は、古代から「天朝朝貢冊封秩序」として知られてきましたが、ことに文革後には社会主義建設の挫折から、以下のような主張を強く展開するようになりました。
- 中華民族として、チベット、ウィグル、モンゴルなど55もある非漢族に対して、同化政策や愛国教育を強制
- 「台灣は中国の絶対不可分の一部」として、各国政府のみならず、民間企業や民間団体にもその認知を強制する
- 南シナ海、東シナ海などの内海化が着々と進められている
- 世界では、すべて中国語(北京官話)を使うことを強制
- 孔子学院を世界中につくり、中国語、中国文化を世界に強制
台湾に対する「92共識」や「中国の一部」「国家として認めない」という中国の姿勢は、台湾では「打圧」(圧迫)と言われていますが、やはり軍事行動(台湾侵攻)がないかぎり、台湾人の意識は変わらないと思われます。
台湾に対する武力行使では、最低、中国のGDPの20%以上が必要だとされています。また、中国の軍事力の約80%は、「中華民族」という幻の民族の暴動などへの対処に備えているのが現実だという分析もあります。
加えて、中国が台湾に対して武力行使した場合、日本の安全保障にも関連してきますので、中国側が絶対に勝つ保障はありません。アジアとしてのインド、太平洋の安定などにも絡んできます。
1月20日、世界野球ソフトボール連盟は、2020年東京五輪のための野球の最終予選の開催権を台湾に与えました。台湾は、今年11月に開かれる予選(プレミア12)の開催地にも決まっており、台湾も含めて、多くの国々が五輪出場を目指した熱い戦いが予想されます。
ただし、中国がまた台湾への嫌がらせとして、「台湾」名称の禁止や、独立派の運動妨害、さらには予選そのものを中止させようと動く可能性もあります。
韓国は反米・反日・親北の文在寅政権になってから、北朝鮮との統一を夢見る一方で、日米との関係が急速に悪化してきています。同様に台湾が反米・反日・親中政権に変わったとき、中国による統一工作が一気に進む可能性が高くなります。しかし、それは一国二制度すら守られていない香港同様、台湾人にとって受難の日々の始まりとなります。