二重三重に遅れた報告
【東京】は1面左肩から。関連で2面に解説記事「核心」とその他2本の記事、5面に社説、7面に国会論戦のポイント、22面23面は見開きで「こちら特報部」。見出しから。
1面
- 厚労相の把握 半月後
- 不正報告翌日の統計公表
2面
- 厚労省 報告遅れの連鎖
- 勤労統計不正把握…公表は1ヵ月後
- 与党、更迭幹部の招致拒否(以上、「核心」)
5面
- 統計不正追及
- 与党は責任を忘れるな(以上、社説)
22面・23面
- 統計不正 生活に影響
- 値上げ、公共料金にも
- 経済学者ら警鐘
- 政策の土台「関心持たなくては…」
- 学問研究に混乱も
- 「論文への信頼は…」危惧
- 「国民の公共財」理念遠く
uttiiの眼
《毎日》は厚労省が抱えた仕事の困難さを浮き彫りにしたと言えるだろうが、《東京》は問題が発覚してからの厚労省の対応の遅れ、ズレに焦点を合わせている。
1面記事は、厚労相が政策統括官から不正報告を受けた昨年12月20日、翌日の21日に、「毎月勤労統計」10月分の確報値公表が予定されていることを知らされず、半月余りあとの今年1月8日にやっと知るに至ったことを問題にしている。昨日の国会でも野党からこの点に質問が飛び、答弁にたった官僚は、大西統括官は「公表日程を認識していなかった」と答弁している。
2面の「核心」は、それ以外のところでも「報告の遅れ」が起きていたことをまとめて示している。見出しには「厚労相 報告遅れの連鎖」とある。まず、統計部門の担当者が大西政策統括官に不正を報告したのが昨年12月13日、そこから大西氏が大臣に報告するまで1週間掛かっている計算になる。そして20日に不正を知った根本大臣は、28日までの8日間、安倍首相に報告していない。10月分の確報値公表については、安倍総理への報告後の会見で記者に質問されてやっと気付いたという体たらく。それが1月8日のことだった。昨日の予算委での答弁を見ていても、思うことは1つ。根本氏に厚労相は無理ではないだろうか。
あとがき
以上、いかがでしたでしょうか。
話は次第に煮詰まってきている、そんな気配がありますね。勿論、「統計不正」の件です。野党の「アベノミクス偽装」批判は、今のところ根拠が麻生氏の「鶴の一声」ということで、ちょっと弱いような気がしますが、実質賃金マイナスというデータが確実になれば、これは与党にとって強烈な一撃になるでしょう。つい今し方、根本大臣が「機械的な計算という前提の限りでは仰るとおり」と、実質賃金マイナス(2018年1~11月)を認めたようです。
image by: 根本匠 - Home | Facebook