1,854万人には「一部」
【読売】は1面トップで休業補償に関する追加給付についての記事、他一本。関連で3面の解説記事「スキャナー」と社説、予算委の詳報を9面に。見出しから。
1面
- 休業補償 7月追加給付
- 労災保険など工程表
- 厚労省「全数調査」と虚偽説明
- 統計後に 「抽出」隠しか
3面
- 不適切統計で本格論戦
- 野党「数字へ圧力あった」
- 首相「できるはずがない」
- 与野党、厚労省を批判
- 「危機管理と統治の欠如だ」
- 「不正分かっていて伏せた」
- 厳正な調査で疑念に応えよ(社説)
uttiiの眼
《読売》は「7月追加給付」との見出しを掲げ、5ヵ月後に給付が始まると報じている。これは労災保険の休業補償の分で、対象は45万人。圧倒的多数を占める雇用保険に関わる追加給付ではなく、ごく少数の労災保険についての追加給付を見出しに取り上げるのは、どんな意味があってのことなのか。
それでも《読売》の記事は、各保険で追加給付の対象者や給付開始時期などに違いがあることについて、一覧表で分かりやすく示している。雇用保険のところには、対象者1,942万人で、現在の受給者には4月から、過去の受給者には「11月頃」から給付が始まると読み取れるのだが、記事には驚くような事が書いてある。
「雇用保険の一部の手当は11月頃、労災保険で支給額の計算に時間が掛かる一部の人は8月から10月以降にずれ込む見通しだ」と。
11月頃にならなければ支給開始などできそうにない「雇用保険の一部」とはどれだけの人を指しているか。《読売》には何も書いてないが、1,942万人のうちの大多数を占める1,854万人と言われている。これを「一部」と表現する感覚は理解できない。ほぼ「間違い」と言って差し支えないように思われる。この部分を「一部」とするか「大多数」とするかによって、追加給付が必要となったこの問題全体の大きさに対する読者の認識は変わってくるように思われるが、どうだろうか。