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桑原塾長が助言。無目的の筋トレもいつか「やりがい」の花が咲く

メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の著者、桑原弘樹さんの元に、「筋トレも仕事も遊びも充実していない」という20代の男性から相談が届きました。自身もやりがいを感じることのないまま、さまざまなことに取り組んでいた時期があるという桑原塾長のアドバイスとは?

やりがいの見つけ方

Q. 学生の頃からの流れで漠然と筋トレをしていますが、特に目標があるわけではないので追い込んだ練習はしていません。筋トレを止めるという気持ちはありませんが、充実を感じることがありません。そうやって考えてみると、仕事にしても遊びにしても充実しているとは思えないのです。

人からは趣味を見つけたらと言われたりもしますが、そんな気にもなれません。

どうやったらやりがいが見つかりますか。何かヒントを教えてください。(27歳、男性)

桑原塾長からの回答

私も時々、なんで日々筋トレに励むんだろう?って疑問に思うことがあります。何か特別な目的があるのかと言われればそうでもありませんし、どんなに力持ちになったところで機械には敵わないわけだし、暴漢と闘うことを想定しているわけでもありませんから、コンテストを目指していない今の状態では目的は不明確です。

でも、それは目的が無いのではなく、もしかすると、もっと大きな、一言では語れないような何かに向かっているのかもしれないとも思うのです。私は今年で58歳になりますが、自分の人生を振り返った時に、無意味に思えるようなすべての事が実は意味を持っていたのだなぁと痛感するのです。

入社早々はお菓子の営業をしていました。ただ、若造の新入社員ですから、必ずしも大手の菓子卸ではなくて、二次店と呼ばれる経営状態も芳しくない担当店が多かったのです。

日々の仕事では卸店の倉庫に行って商品が何ケース売れたかを数えて、売れた分の注文をもらったり、配送トラックへの荷積みを手伝ったりと、ヤリガイとは程遠い日々でした。

そんな生活が嫌で海外留学の試験を受けて留学させてもらったり、その後は商品開発の仕事をしたり、経営企画といった少しお堅い仕事をやったり、企業のM&Aやオモチャを作った事もありました。

これらの一つ一つはバラバラな感じで、まるで繋がりが無いように見えるかと思いますが、今になって振り返るとすべてが見事に繋がっているのです。

例えば、二次卸での仕事は、サプリメント事業を発足させる際の流通戦略上において非常に役立つ経験となっていました。生身で毛細血管のような流通を経験しているのですから。

また、29歳の時には大病を経験して会社も半年以上休みましたが、この時の経験がその後サプリメントの事業を発足させようというきっかけになりました。

M&Aの仕事では弁護士の先生について契約書や定款などを徹夜続きで作成しましたが、これも新たな事業を立ち上げる際には大いに役に立ちました。

菓子の開発やオモチャを作ったという経験は、何よりも社内のあらゆる部署との折衝をする経験をしたため、新たな事業を行う際には最高の経験だと痛感しました。

人との出会いも大きかったと思います。リハビリ感覚で通い始めたセントラルスポーツからスタートして、当時はフリーウエイトが充実していたティップネスへ変わり、そこでインストラクターをしていたボディビルダーの紹介でワールドジム(後のミスターユージム)の門をくぐるのです。

現役のボディビルダー達が骨がきしむような重量を扱っているのを目の当たりにして、すべての価値観が崩壊したようなショックを受けたのです。自分が昼間生活している、ほぼすべてだと信じていた社会は何だったのだろうと…。

そこで出会った杉田会長の言葉のひとつひとつは、その後の私のバイブルと言っても過言ではありません。当時、既に40歳手前でしたが、改めて価値観を構築し直した状態です。

時期をほぼ同じくして、武藤敬司さんとも出会いました。言わずと知れたスーパースターですから、これほど親しく交友関係が築けるとは思ってもいませんでした。でも出会った当時と今と、何も変わらないのです。恐らくウマが合うというか、相性が良かったのだと思います。

ジャンルは異なれど、世界を極めたといってもいい二人に出会えたのは、私の人生にとってラッキーでもありますし財産だと思っています。でもこの出会いも、数えきれない偶然が重なって、そこにほんの少しの意思が加わったことによる奇跡なのだと思うのです。これまで無駄だと思っていたことや、意味が無いと思っていたことも含めて、すべての経験の積み重ねがその後の奇跡を引き寄せているのです。

そうやって自分を振り返ってみると、子供の頃に憧れた強いヒーロー達、ロッキーやブルースリー、タイガーマスクやアントニオ猪木といった漠然とした強さが今でも心に残っているのです。なんだか還暦手前になっても、いまだにそこに向かって夢を見続けているような気がしてきます。

なので、距離が遠くて目標とは言えないのですが、それはそれでひとつの原動力になっているのでしょう。目標に比べると瞬発力は少し足りないかもしれませんが、持続力では優っているかもしれません。

趣味ややりたい事を探した方がいいとアドバイスする人もいますが、私が思うに勝手に現れるまでそのままにしておけばいいのではないでしょうか。つまらないと思う事でも、本当につまらなければ止めるはずです。

やっているという事は、多少なりとも何らかしらの意味を感じていて、やがて、そんな小さな意味をもった経験が大集合してヤリガイみたいなものを見つけてくれると思います。

私も、子供の頃に夢中になった切手の収集や、土器や石器の発掘なんかも、もしかしたらこの先何らかしらの繋がりを見せてくれるのかもしれないかとって、少しワクワクしています。

image by: imtmphoto, shutterstock.com

桑原弘樹この著者の記事一覧

桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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