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会社のためよりお客のため。社員時代は「悪役」だった美容研究家

世界で初めて美容液やパウダーファンデーションを生み出した、美容研究家の小林照子さん。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では小林さん自ら「会社の視点では悪者だった」と語るほどの、顧客目線に立った商品開発秘話を紹介しています。

ヒット商品は、喉から手が出るほど欲しかった物

83歳のいまも美容研究家として第一線で活躍する小林照子さん。美容液やパウダーファンデーションなどを生み出すなど商品開発に力を注いできました。

そんな小林さんのアイデアはいったいどのように湧き出てくるのでしょうか?

第一線で活躍する女性 小林照子(美容研究家)

──現在の活動を始める前はコーセーに勤め、数々のヒット商品を生み出してこられたそうですね。

小林 「手前味噌ですが、40代の頃に世界で初めて美容液やパウダーファンデーションを生み出しました。会社のためよりも使う人のためを貫いたことがよかったのだと思います。こんな商品があれば皆が喜ぶんじゃないか、綺麗になるんじゃないかと常に考えながら商品開発を続けてきました。

また、それらの商品は私自身が喉から手が出るほど欲しかった商品でもあるんです(笑)。例えば、美容液をつくった頃の私は、美容部長として第一線で働きながら、家庭では家事と子育てに奔走。忙しいけれど、化粧品会社の顔として人前に出るので自分のスキンケアも疎かにできない。そんな汲々とした状況の中で知恵が出てきたのだと思います。

それまでスキンケアは「化粧水→乳液→クリーム」という流れが一般的でしたが、3つのステップを包括したオールインワン化粧品・美容液をつくり上げたんです」

──忙しい女性にとっては救世主のような商品です。

小林 「でも、会社の利益の面で考えると、それまで3つの商品を購入していただけていたのに、一つで済んでしまうわけです。

私はあくまで使う人目線で物事を考えていましたから、会社の利益を考えてくれる人と常に二人一組になって商品開発を行っていました。互いにそれぞれの主張をぶつけるため、年中激しい喧嘩や議論をしていた記憶がありますが(笑)、パウダーファンデーションも同様の発想で商品化されました」

──それほど真剣だったからよい商品が生み出せたのでしょうね。

小林 「組織を一つの演劇団と捉えると、役割の分担だと思うんです。会社の視点に立つと私は会社の利益を考えない悪役ですが、悪役がいるからいい演劇に仕上がる。

商品開発も同様です。というのも、私はもともと演劇が大好きで、この道に進んだのも演劇の出演者にメイクを施すメイクアップアーティストになりたい一心からでした」

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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